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2005年04月29日

トラック野郎 男一匹筋太郎!  - 連載(8)-

♪嗚呼ァ〜嗚呼ァ〜一番星消えるたび〜俺の心が寒く〜なる〜♪
「こちらトラック野郎、筋太郎!ワッパ稼業の旅から旅への渡り鳥〜」
 ♪おふくろさんよ〜おふくろさん〜 空を見上げりゃ 空にある〜♪
俺のカーステから流れる森進一のベストカセット。昔から気になっていた謎の集会「じゃがいもの会」。森進一が興したこの集会が、今回の森進一&昌子の離婚騒動で一体どうなっちまうんだ…。
嗚呼…おふくろさんよ〜

 しかし「〜会」って響き聞くと、ついついオウム真理教の前身の「オウム神仙の会」とか、日本最大のヤミ金グループだった「五菱会」とか、反社会的活動の悪い会を想像しがちな俺だから、森進一が主催する謎の集会「ジャガイモの会」ってのが前々から気になっていた。

 「じゃがいもの会」
1985(昭和60)年結成。妻である森昌子、歌手仲間の大川栄策ら仲間6人でスタート。で、気になる会のネーミングなんだが、江戸時代、人々を飢きんから救ったといわれるジャガイモからとったそうだ。きっかけは森が、アフリカの飢餓で苦しむ子供たちに、自らの貧しかった少年時代を重ね、飢えた子供を救うじゃがいもになったらいいと思ったとか。会は毎春チャリティーコンサートを開き、収益金は日本国連HCR協会を通じ難民の教育支援に充てている。最初はそれだけの活動だったが、阪神淡路大震災の時には被災地にアンパンを送り「じゃがいもからアンパンが届いた」と被災者に喜ばれた。「じゃがいもの会」は実に社会的活動をしている立派なボランティアの会だった。



 しかし、森進一&昌子夫妻が離婚した今後、「じゃがいもの会」はどうなってしまうのか、とにかく俺は心配だった!かといって俺に森進一とのコネクションはないから直接聞くわけにも行かないし……。
 そんな4月のある日、砧のスタジオのメイク室。俺の隣には森口博子(シンガー)女史が丹念なメイクをしていた。俺は森口女史とはすれ違って会釈するぐらいの間柄であったが、彼女が昔「じゃがいもの会」のコンサートに出演していたニュース映像を見た事があったので、思い切って話しかけてみた。
 「おネエさん、おはようございます!じゃがいもの会、大丈夫っすか?」
 「はぁ?……」
 たいして面識のない俺からの直接打撃質問に森口女史は「なんの事やら」って調子。ここで引き下がるわけには行かない。
 「ですから、おネエさんが出演したじゃがいもの会。主催者の森夫妻の離婚問題で、今後の存続はどうなるんですか?って事ですよ!」
 森口女史もすっかり「じゃがいもの会」の存在を忘れていたのか、俺の説明でようやくピンと来たらしく
 「あっ、そうそう、じゃがいもの会ね〜。わたしも、なにも聞いてないんでわからないんですよ。どうなっちゃうんだろう?」
 と、入念なメイクをしながら存続の危機を迎えている「じゃがいもの会」に思いを馳せたようだった。
 「じゃがいもの会で、溌剌とシンガーとして歌っていたネエさんなら、じゃがいもの会の今後について、なにか知ってるかと思ったんですよ。」
 すると彼女が
 「でも、今回の事と関係があるかどうかわからないんですけど、実は前に変なことがあったんですよ。」
と言い出した。
 今から3年以上前に、彼女が「じゃがいもの会」に初めて出演する前の出来事。彼女の夢の中に、見ず知らずの小さなおばあさんが出てきたそうだ。そのおばあさんに見覚えのない森口女史は
 「失礼ですが、どなたですか?」
と聞いた。すると、そのおばあさんは
 「こんばんわゎゎ〜森進一の母でございます。」
と、かすれた声で自己紹介をした。その声は確かに森進一と同じかすれ声だったので、彼女は目の前のおばあさんを森進一のおふくろさんだと信じた。
 とにかく夢の中でも芸能界の大先輩で、今後「じゃがいもの会」で世話になる人のおふくろさんである。失礼があってはいけないと
 「今度、森さんとは、じゃがいもの会というチャリティーコンサートで共演させてもらいます。」
と丁寧に挨拶した。すると森進一のおふくろさんが
 「すまないけど、うちの進一に会うならば、伝えて欲しい事があるんですぅぅぅぅ。」
と森口女史に言ってきた。その切実な願いを、必ず当人の森進一に伝えると約束した森口女史におふくろさんは
 「進一に今後なにがあっても、昌子さんと夫婦仲良くしてくださいとお伝えくださいぃぃぃ〜。」
と森夫妻とはまったく関係のない森口女史に頼み込んで霧の中に消えていったそうだ。「森のくまさん」って歌があるけど、これじゃ「森のおふくろさん」だ。

 ♪〜ある日、夢の中おふくろさんに出会った〜♪
 ♪花咲く夢の中〜おふくろさんに出会った〜♪
 ♪おふくろさんのいう事にゃ、お嬢さん、伝えなさい〜♪
 ♪すたこらさっさっさのさ〜すたこらさっさっさ〜のさ〜♪

 そして3ヶ月後、実際に森口博子女史は森進一と自身初出演となる「じゃがいもの会」で会うことになる。不思議な夢の事とはいえ、とにかく伝えなくてはと、森進一の楽屋に向かった。
 「本日はよろしくお願いします。」
と挨拶を終えた森口女史は先日の夢の一件を森進一に切り出した。
 「ちょっとお聞きしますが、森さんのお母さんは小さいお方でしたか?」
突然の質問に戸惑った森進一であったが、母を思い出し
 「こんばんゎゎゎ〜森進一ですぅぅぅぅぅ。確かに、私の母は身体は大きいほうではなかったですぅぅぅぅぅう。」
と答えた。体型は夢の中に出てきたおふくろさんと一致した。そこで森口女史は信じてもらえなくとも、夢でのおふくろさんとの約束を果たすべく、おふくろさんから預かったメッセージを伝えた。
 「森さんのお母さんが、とにかく昌子さんと夫婦仲良くしてください、と言ってました。」
 言われた森進一は
 「そうなんですか。」
とポカーんとしながらも、笑っていて、真面目に取り合う感じではなかったそうだ。
 そりゃそうだろう、自分のおふくろさんが自分の夢ならまだしも、他人の夢の中に勝手に出てきて、余計な心配してるんだから。
それから3年の月日が流れ、今回のこの騒動である。

 しかし、本当に不思議な森口女史の凄い予知夢。
 続けて森口女史は
 「でも、私って不思議とそういう力っていうか、当てちゃう事があるんですよ。前もマネージャーに交通事故気をつけたほうがいいよって言ったら、帰り事故にあいそうになったって事もあったし……。」
 俺は素敵なエピソードを披露してくれた森口女史に
 「貴女は細木和子より凄いかもしれない! 占い本は細木の独占市場。だったらネエさんはシンガーだから占いCD出したら爆発的に売れますよ。」
と言ったら、
 「確かに!その方が歌のCDより売れるかもしれない!って、出さないわよ!」
だと。ちょっと笑い話みたいになったが、この予知夢の話を聞いていたメイク室中の人間がさぶイボ立ててた。もちろん俺もさぶイボだらけだった。

 しかし、森進一さんのおふくろさんは、なぜ、森進一本人の夢に出ないで、森口の夢に出たのか?夢の入り口ならぬ森の入り口を間違えて森口に行ってしまったんだろうか?
森進一と森進一のおふくろさんと森昌子が森口博子の夢で複雑に絡み合った、これぞ上手すぎるが、「夢がMORI(森)MORI(森)」(俺は一度も見たことなかった)なエピソードだったぜぇ……


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ビュビュビュビューン(エキゾーストノート)!

投稿者 davinci_blue : 2005年04月29日 21:29