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2005年03月25日

トラック野郎 男一匹筋太郎!  - 連載(7)-

♪嗚呼ァ〜嗚呼ァ〜一番星消えるたび〜俺の心が寒く〜なる〜♪
「こちらトラック野郎、筋太郎!ワッパ稼業の旅から旅への渡り鳥〜」
 サザエさんのワカメの声が変わり、ドラえもんの声優陣が一新される。親しんだアニメキャラクターの声が変わるってのは違和感があるけども、芸名が変わるってのも違和感があるんだぜ〜

 俺の芸名は玉袋筋太郎。
 かれこれこの名前で20年近くワッパ稼業をしている。
 この芸名は師匠であるビートたけしに頂いたありがたい芸名だ。駆け出しの俺は芸名がついてない下っ端弟子を集めて行われた芸名命名会で「玉袋筋太郎って名前誰か欲しい奴いるか?」と師匠が言うや否や飛びついて「私が玉袋筋太郎でお願いいたします」と頂いたのだ。  
 まぁ他に余っていた芸名候補には、当時巨人で活躍していた外国人選手の「クロマティ」に対抗して「シロマティ」。名乗ったら絶対に石原軍団に消されてしまったであろう「渡哲也」に対抗した芸名「アリの門渡り哲也」という、ろくな芸名がなかったので、もう絶対に玉袋筋太郎が欲しかったんだけど。
 芸も何もない芸人なりたての頃は正直「ネタで駄目でもこの芸名で笑いが取れるだろう」と安直な笑いの為に頂いた調子だった。
 それに芸人続けてこの「玉袋筋太郎」という名前を玉袋だけに大きくしていき、世間に浸透させていけば、この名前がやれ下ネタっぽいなどと騒ぐ人も少なくなり、偏見もなくなり馴染んじゃうだろうと思っていた。が、ところがどっこい。やっぱり玉袋筋太郎って言う芸名は俺の芸能活動にとって色々と問題を巻き起こす重い十字架となる芸名だったんだな。


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玉袋(平常時)

 何度もこのエピソードは披露しているが、過去にNHKの番組に出演したときに、やっぱりこの芸名が引っかかり玉袋筋太郎の芸名が「知恵袋賢太郎」という、まったく俺の芸名のテーストがない芸名に改名されて出演した事があった。それ以来俺はNHKの受信料の支払いを拒否していた時期がある。
 受信料の徴収に来た係の人に「俺の芸名を変えたNHKに、払う義務があるか!ちゃんと玉袋筋太郎っていう芸名があるんだから、玉袋筋太郎という芸名で出演させてくれなければ、俺は払わない!」と現在のNHK受信料不払い現象を予感させる、実に青臭い行動をとっていた(現在はたとえNHKにどんな不祥事があってもハイビジョンが素晴らしいので払ってる)。
 結婚するときだって女房の親に挨拶に行って「玉袋筋太郎です」といった時の、「なんでうちの娘が、よりによって玉袋筋太郎の嫁になるんだ…」と泣きだしそうな表情されて親には迷惑かけたし。息子には学校で父親について「お父さんは玉袋筋太郎です」なんていったらイジメに遭うのは目に見えているので、学校では「お父さんは海外出張中」って苦しいウソついてる状況だし。これから中学に入ったら益々、周りは敏感になるだろうから、下手なウソ続けなくちゃいけないし。とにかく玉袋筋太郎って芸名は大好きなんだけど、それだけに問題が多いのも事実なんだよな。 
 漫才の舞台や雑誌連載、深夜番組なんかはこの芸名で通してもかまわないんだろうけど、流石にゴールデンタイムの番組だと無理があるんだろう。
 だって、ある家族が団らんで晩飯食いながら娘(小学3年生)が突然「ママ、玉袋筋太郎のたまぶくろってなに?」って聞かれたら、ママはあたふた。隣のお父さんは「ウ〜ン」と唸って新聞を広げ押し黙ったまま。お爺ちゃんは晩酌中で真っ赤な顔して「それはな…」って玉袋筋太郎の意味を語ろうとし、お婆ちゃんに「お爺ちゃんは、もう酔っ払ってるから寝なさいよ」と突っ込みを入れられ「シュン」となる。
 答えを聞けない子供は癇癪を起こして泣き叫び、それまで黙っていたお父さんは「よし、なら意味を教えようじゃないか、玉袋って言うのは、オチンチンの下についてる袋の事だ」とよせばいいのに真相を語り出す。それを聞いたママは「パパ!まだ小学生の娘に何てこと言ってるの!」と凄い剣幕で噛み付く。お父さんは「ママ、なに言ってるんだ、最近の小学校での性教育はもっと露骨に男性器や女性器やセックスの事まで教えてるそうじゃないか、それに比べたら、玉袋筋太郎って名前は芸人のシャレの名前なんだから…」「それとこれとは別よ!」とママ。「とにかく、こんな下品な芸名のタレントを出している、この番組が悪いのよ!」と言ってチャンネルを変えられる最悪の事態になってしまうだろう。そうなったらテレビ局は商売上がったりである。さらにチャンネルを変えてもその家族の騒動は収まらず「ママはたかが芸人のくだらない芸名ぐらいの事でヒステリックになってるんだ!」と切れ気味。
 返すママは「ヒステリックになんかなってないわよ!あなたにヒステリックなんて言われる筋合いはないわ!この甲斐性なし!」と茶碗をパパに投げつける!その茶碗がそれて娘のオデコに当たり流血!益々泣き喚く娘。パニくるママ!
 益々酷い事になり、それを見かねた酔った爺ちゃんが納屋へ行きマサカリを持ち出し「わしを恨むでないぞ!すべては玉袋筋太郎っていう芸名が悪いんじゃ」と次々と家族の頭をカチ割って一家惨殺!と、痛ましい事件になる可能性もないでもない。そんなことになったら俺の芸人生命も一巻の終わりだ。
 そんなこと考えるとゴールデンタイム家族で見る時間帯のテレビ番組で「玉袋筋太郎」は良くないなぁって事は俺でもわかる。
 前々から会社側の人間からも「ゴールデン出演の時は芸名を変えたら面白いんじゃないですか、考えていてくださいよ」っていう提案もあった。
 玉袋筋太郎の玉を平仮名にして「たま」にしたら「さよなら人類」歌いだしそうだし。ローマ字でTAMAだったら前にいたインチキくさいアメリカで活躍していた女流コメディアンのTAMAYOみたいだし。筋太郎を平仮名にして「すじたろう」で行ってもよかったんだけど、なんか「ぜんじろう」の偽者みたいだし、  
 そんなこんなでこの懸案を放って置いたら、ある日貰った台本見たら出演者の欄に俺の玉袋筋太郎の文字はなく「玉ちゃん」と名前が書いてあった。


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ゴールデン玉ちゃん

 帷子川のゴマひげアザラシのタマちゃんが居なくなった現在。こうして玉ちゃんはまた現れたのだ。世間的にはまったく騒動になってないが、俺にとっての玉ちゃん騒動が始まった。
 番組共演者には本当に驚かれる。この前は浪速のトラッカー北野誠と共演したんだけど、本番前のスタジオ前のロビーで挨拶したら「なんでお前ここにおるの?」っていきなり言われた。「ゴールデンなので玉ちゃんなんですよ」と説明すると、「なんや、玉ちゃんって玉袋筋太郎のことやったんか!俺はてっきりKABA.ちゃんがいるから、KABA.ちゃん&玉ちゃんっていう新しいオカマのコンビでも結成したんかと思ってたわ」と勝手にKABA.ちゃんとのユニットにされそうになる始末。
 名付けの親の師匠と共演した時も「玉ちゃんってお前の事か!変な名前に変えてるなぁ」って呆れられたけど、元々玉袋筋太郎っていう芸名つけたのは師匠なのにぃ…
 今後は玉袋筋太郎と玉ちゃんを使い分ける事になった。まぁ近所の飲み屋じゃ誰からも「玉ちゃん」と呼ばれているし、まぁいいか!
 とにかく、「玉ちゃん」は俺も違和感があるし、見てる方も違和感があるかもしれないけど、ゴールデンに玉袋筋太郎の違和感よりはマシでしょ?それにゴールデン(金)で玉ちゃんだから、俺の芸名のテーマの「金玉」っていうテーストはかろうじて保持できてるからいいって事よ!
 ゴールデンタイムに出演するときは「玉ちゃん」と名前をシフトチェンジして登場だ!でも、このコラムは玉袋筋太郎で突っ走らせてもらうぜ!ビュビュビュビュ〜ン(エキゾーストノート)!

投稿者 davinci_blue : 19:21