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2005年02月18日

トラック野郎 男一匹筋太郎!  - 連載(6)-

♪嗚呼ァ〜嗚呼ァ〜一番星消えるたび〜俺の心が寒く〜なる〜♪
「こちらトラック野郎、筋太郎!ワッパ稼業の旅から旅への渡り鳥〜」
トラック野郎筋太郎、今年の正月ハワイに奇襲攻撃だ〜!

 正月に芸能人がハワイに行く姿をワイドショーでやってんの見る度に「寒い日本を離れて常夏の島ハワイなんかで過ごしやがって、いいご身分だよな〜ヒロミはょ〜」なんて最近じゃすっかり寒くなっている、ホットだった頃のヒロミをテレビで見てはコタツで一升瓶片手にコップ酒を煽っていた俺だが、まさか今年の正月に自分も家族でハワイへ奇襲攻撃を仕掛けるとは思わなかった。
 しかしハワイは昔に比べ身近になり大層行きやすくなった外国になったもんだ。昔のハワイ旅行なんて一ドル360円だからねぇ。しかも今のように激安チケット売ってる旅行業者なんか無かったから、「アップダウンクイズ」で優勝するか、ジャイアント馬場の秘密特訓取材のプロレス記者ぐらいじゃないとなかなか行けないリゾート地だったな。
それが今じゃ、こんな安月給の俺でも平気で家族で行ける様になったんだから嬉しくなっちまってさ。当日はいつもよりワッパ握るのに力入って常磐自動車道アクセル全開!自宅からたった1時間半でハワイに到着しちまったよ!
 まぁ今回はハワイに到着って言ったって常磐ハワイアンセンター(福島県いわき市 現スパリゾートハワイアンズ)に行ってきたっていうベタな話なんだけどさ。
 思い返してみると昔は常磐ハワイアンセンターなんて東京モンからすれば間抜けなレジャーランドの代表みたいな施設だったんだよな。東京モンは「福島にハワイってどういうことだ!」っていう、まぁ今で言うところの激安ブランドショップ「パリス吉祥寺・松戸店」みたいな「パリなのか?吉祥寺なのか?千葉なのか?一体どこなんだッ!この野郎〜ッ!」って事で馬鹿にしがちな施設だったんだよ。
 俺の小学生時代、友達に「夏休みどこ行ってきた?」って聞いて「家族全員で常磐ハワイアンセンターに行ってきた」なんて言った日にゃ、そいつは「本当のハワイへ家族旅行出来ない奴が行くニセハワイ貧乏家族旅行だ!」って2学期からクラスの全員から「ニセハワイ」だとか「ニセハメハ大王」なんて徹底的に馬鹿にされちゃってさ、それが原因かわからないけど、そいつはそれから急に太りだして不登校になって静岡の健康学園に転校してしまったぐらいだもん。
 でも、そいつを馬鹿にしてた俺たちの殆どが、実際のハワイも擬似ハワイのハワイアンセンターも行った事がなくて、夏休みの大半はズ〜ッと学校のプールで泳いで過ごし、魚肉ソーセージこそが本物のソーセージだと思っているようなどうしようもない貧乏連中だったんだけどね。
 過去にそんな仲間を健康学園に入学させる羽目にまで追い込んだ俺が正月明けスケジュールが空いたので「今までハワイアンセンターに抱いていたイメージとはなんだったのか?」を確かめるべくハワイに上陸したんだよ。
 今回、仲間の姫トラッカーから「どうせ家族旅行ならディズニーランドがいいんじゃないの!」なんていうこれまたご立派な「作り物施設」の薦めもあったけど、同じ作り物ならば絶対に無理がある「日本のハワイ」の作り物にドップリ浸かってみたかったんだな。それでも姫トラッカーは「ハワイアンセンターにはディズニーランドみたいな愛くるしいキャラクターもいないじゃん、子供は楽しめないよ」なんて抜かしていたが、ハワイアンセンターにだってディズニーランドに蔓延る沢山の愛くるしいキャラクターに負けないキャラクターがそこらじゅうにゴロゴロしている筈だと俺は踏んでいた。


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「この銅像ハナ肇にあらず!」



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「日本にハワイを作る為努力した人みたい」


 いざハワイアンセンターにチェックインしてビックリ!外の気温は2℃だけど、巨大なドームに入ったら30℃の常夏の日本のハワイそのもので、冬物のコート着てきた俺は汗だく。
 一歩施設に入ったら行動は総て海パン一丁の裸でいいこのハワイ。どこでも海パン一丁で移動できるんだよ。初めはちょっと恥ずかしいんだけど、なれてくりゃまったく関係ない!これだったら家出るときから海パン一丁で運転して来りゃよかったと後悔。  
 熱帯高気圧東京ドームの「ウォーターパーク」(水着着用ゾーン)には巨大帆船と巨大なプール。生ぬるく流れるポリネシアンビート、ウォータースライダーが5本あってキャッキャと滑って遊んだ。そして、日本初の屋内流れるプールに身を任せる。


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「好感度撮影でもこれだけボケる、高速スライダー」


側の子供連れの家族を見ながら
「オムツ取れたばっかりのガキがこのプールで小便を垂れ流してるんだろうなぁ」
なんて思いながらプカプカと浮いていると、現れたのが日焼けに金の装飾品つけたビキニタイプの海パンを履いた肉食系男。その脇には乳首イッパイイッパイのこれ以上隠せないぐらいギリギリのビキニでケツはもちろん食い込みすぎのTバックのコロンビア人女性を連れている。
 ディズニーランドの「美女と野獣」なんかより、よっぽど「美女と野獣」である。因みにその二人は夕食のバイキングで二人だけ特別料理で伊勢海老の鬼殻焼きをバキバキやって「ガリ、ガリ、チュー、チュー」と喰っていた。それを見ていた家族連れの小さな女の子が「あたしも、あれ食べたい」と皿を持ってバイキングの大皿に向かったが、お母さんの「あれはあの人たちだけの食べ物なの!」と言われシュンとしていたっけか。
 屋外にある「スパガーデンパレオ」(水着着用ゾーン)。気温2℃だから当然寒い。寒イボたたせながら、湯に浸かりいわきの山の景色を見ていると「本当にここはハワイなのか」と一瞬自分がどこにいるのかを忘れさせてくれる(ハワイじゃないんだって!)。
「スプリングパーク」(水着着用ゾーン)は南欧風の温泉オアシス。ジャグジーやスチームサウナを満喫。でも南ヨーロピアンスタイルで楽しむってのが売りなんだけど、もうこうなってくると設定は完全にハワイじゃないんだよな!ここで売店のオバちゃんから面白い伝説を聞いた。
 昔ここ「スプリングパーク」で「ビートたけしのお笑いウルトラクイズ」の収録があったとさ。ここの湯にマイクをおいた浮島を浮かべ、歌のイントロ流れたら、その浮島まで、熱湯の湯の中を走って辿り着き、熱湯と格闘しながら一曲歌う「熱湯イントロクイズ」というコーナーで、そのお湯が熱湯という設定にもかかわらず、自分たちが目立ちたいが為にお笑い三人組が、イントロが流れだしたら熱湯の設定の湯の中に「アチ〜ッ」なんていう芸人として当然のリアクションを怠り、ジャバジャバと入って行って何食わぬ顔で一曲歌い上げてしまい、コーナー設定が成立せずたけし軍団のダンカンに呼びつけられて「テメェらは、お笑いをわかってねぇんだよ!絶対売れないからな!」と滅茶苦茶にしかりつけられたそうだ。
 その芸人としてあるまじきリアクションをした三人組のお笑いトリオとは、読者の想像だとダチョウ倶楽部だろうと思いがちだが(ダチョウ倶楽部は、リアクションだけでイントロが流れて五分以上そこで、アッチッチとリアクションをして大爆笑をとっていたらしい)ダンカンに叱られていたのは、SET隊(後に俳優として売れた岸谷五郎在籍)という笑えない三人組のお笑いトリオだったとさ。
う〜ん「三匹のこぶた」よりも為になる物語!
 「温泉大浴場パレス」(フリチンゾーン)のサウナに入ってびっくり!やっぱりハワイは違った!100℃を超える灼熱のサウナの中でアロハシャツを着ている集団がいたのだ。でも、よく見るとアロハシャツじゃなくて刺青を入れている怖い集団だった。このアロハ肌の角刈りの男がサウナの一番高温になる最上段のコーナーで茹であがった熊みたいに真っ赤になってるんだよ。ディズニーランドの「カントリーベアジャンボリー」の熊たちも逃げ出すぐらいの迫力だった。そこにサウナのマナーを知らないでビチョビチョの身体のまんまサウナに入って来た若い兄ちゃんを「テメェ〜この野郎!サウナの入り方も知らないのか!」って怒鳴りつけていたんだけど、
「あんただって刺青でサウナってのも、入り方知らないじゃないか!」と突っ込みを入れることができず心の中で大声で叫んでいた。
しかし、その姿、牢名主ならぬサウナ主!日本のハワイならではの素晴らしい光景に金玉が縮み上がった。
 洗い場でもすごいキャラクターを発見!ディズニーランドのシンボルキャラクターお耳が大きなミッキーマウスはここにはいないが、金玉が異常に膨らんでしまっている脱腸のオヤジがいたんだよ!金玉がミッキーマウスの耳よりデカかった!この遭遇はディズニーランド内でミッキーに遭遇する感動よりも感動的だ。
 気ぐるみのキャラクターに思いを馳せることより、金玉肥大の金玉ミッキーおじさんのこれまでの人生に思いを馳せることと、どちらがファンタジーがあるだろうか?無論後者であることは間違いない。
夜のアトラクションもよかったなぁ。昔はテレビの万国びっくりショーなんかでお目にかかったが、最近じゃテレビじゃすっかりご無沙汰のファイアーダンス(日本人、たぶん地元福島出身・元暴走族!)。火のついたバトンを振り回し、股間に挟んだりと強烈なパフォーマンス!エレクトリカルパレードよりも過激で最高だった!
 俺は昔から「ディズニーランドよりも健康ランドに真実はある!」で生きてきたんだけど、それが今回のハワイアンセンターで間違ってなかったってことが確認できて嬉しかった。


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「部屋着は南国のリゾートホテルの従業員のユニフォームみたい」



朝から晩までタップリの日本のハワイを堪能し、最後の〆は「江戸情話 与一」という江戸情緒たっぷりの世界一の巨大露天風呂である。ハワイアンズと名乗っているにもかかわらず、江戸情緒たっぷりの巨大露天風呂をつくるのかねぇ?でも、なんでも江戸情緒だとか露天風呂作れば日本人は喜んじゃうからなぁ。
 辺り見渡しても海なんか無い山中のしなびた温泉の晩飯になぜか、刺身の船盛りとズワイガニが出てきても、海の幸なんて獲れない山の中でも船盛りの存在にに負けちゃって感動しちゃう日本人気質を手玉に取ったアトラクションなんだな、これが。
 そんな、もはやここがどこの国のどこなのかまったくわからなくなった日本のハワイの世界一巨大な江戸情緒露天風呂に月を見ながらゆったりと浸かる。 
お湯を手に取り顔を流す「いや〜極楽極楽!」プールや温泉ですっかりふやけた自分の手を見てみると、俺の手は朝から晩までプールや風呂で遊んでたから、ここに来るまでは伸びきった爪の間にミッチリと詰まっていた爪垢が綺麗さっぱりになっていて、伸びた先の爪なんて、普段じゃ炒めたジャコみたいに黒ずんでるんだけど、今は釜で茹で上げたばかりのシラスのように白くなって柔らかくなっていた。
そんな苦労も知らぬ指先を繁々と見てたら、ふと、ここ福島県いわき市が過去に石炭産業が盛んだった頃、日本一と言われていた常磐炭田で働いていた人たちに思いを馳せてしまった。
炭鉱(ヤマ)で働いていた炭鉱夫たちが、もし今、この施設でのんびり朝から過ごし、この湯船に浸かり節くれて爪の中も真っ黒だらけの自分の手が気がつかない間にすっかり綺麗になっていた手を見たら、なんて思っただろうか。
「♪月が〜出た〜出〜た〜月が〜出た〜ヨイヨイ〜ッと♪
 ♪いわき炭鉱の上に〜出た〜♪
  ♪あんまり〜煙突〜が高いの〜で〜♪
  ♪さ〜ぞや〜お月さん〜けーむた〜かろサノヨイヨイ♪」
オッといけねぇ、すっかりのぼせちまった。

 とにかく、ハワイよりも楽しいハワイがここにはあった。常磐ハワイアンセンターはスパリゾートハワイアンズとして本家のハワイを超えていたのだ!
しかも近くには小名浜港っていう漁港もあって、ここの大衆食堂の刺身丼のうまいこと!「リメンバーパールハーバー」ならぬ「リメンバー小名浜ハーバー」なんだよ!
芸能人はわざわざ遠いハワイなんか行かないでここで十分!
余談だけど、小学生時代に俺たちに突っ込まれて健康学園に転校したA君は、今なんと偶然にもいわき市のTという工場に就職していて働いている。久しぶりに彼に電話を入れてみた。
「久しぶりだな!俺この前、常磐ハワイアンセンター行ってきたぞ、
お前、今、あの近所で働いて住んでるんだろ?」
「ああ、あの近所に住んでるけど、
あそこには小学生の時以来、行ってないよ」
「だったら、今度また俺がそっち行った時、一緒に行こうぜ」
「でも、あそこは常磐ハワイアンセンターだろ!」
「うん、今はスパリゾートハワイアンだよ」
「俺ガキの頃、嫌というほど行ったからいいよ」
「そんな事いわないで、なッ、滅茶苦茶面白いぜ!」
「…………
わかったよ、なら近くに来ることあったらまた電話くれ」
「わかった、絶対に電話するよ、じゃあな、アロハ〜」
「ガチャン!」
 
 よ〜し、次は常磐ハワイアンセンターのA君とそして当時、彼を突っ込み倒した同級生と皆で常磐ハワイアンセンターで同窓会だ!
A君にはその時、過去の俺たちの突込みを温泉だけにお湯に流してもらおう。
ビュビュビュビューン(エキゾーストノート)


投稿者 davinci_blue : 2005年02月18日 16:37