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2005年01月14日

トラック野郎 男一匹筋太郎!  - 連載(5)-

  ♪嗚呼ァ〜嗚呼ァ〜一番星消えるたび〜俺の心が寒く〜なる〜♪
「こちらトラック野郎、筋太郎!ワッパ稼業の旅から旅への渡り鳥〜」
 トラック野郎の俺が旅先で捨てるものは、昔泣かしちまった女の思い出か?

 ワッパ稼業やっていて旅先で捨てるモンって言ったら、処分に困った自宅のソファーや冷蔵庫なんかを県道脇の森に不法投棄するのが定石(真似すんな)だが、旅先って男にとってつらい思い出も捨てるもんなんだよ。
 地方で懇ろになったスナックの女の名刺なんてのも家に持ち帰ったら女房(春川ますみ似)にドヤされちゃうから泣く泣く捨てるモンだが、最近、俺が旅先で捨てる時に本当に男として生まれて、こんなにつらい思いをして捨てるモンがあるんだろうかっていうモノがあったんだな!
 旅先で面倒な仕事の帰りの身支度で、毎度これ以上ないってぐらいの作業着とか洗濯モンやらを丸めてバッグにギューギュー詰めにするのが本当に面倒で旅に出るたび嫌で嫌でしょうがなかった。トラックだけじゃなくバッグまで過積載になっちまう!
 とにかく身軽に帰れる為には荷物の軽量化が一番星な筋太郎。で、何が一番旅先で捨てて帰りやすいか考えて、履き古して草臥れたパンツなら旅先で捨ててもかまわないって思い結局パンツにしたんだよ。
 「旅の恥 女とパンツ 履き捨てる」
 で、去年から旅に出る時にゃ古い順からのパンツを持っていくことにしたんだけど、旅先の大阪のホテルでいざ帰りの身支度してパンツを捨てる時になったら無性に悪い気がしてきちまってさ。ホテルに持ち込みのゴミを捨てる後ろめたさじゃなくて、長年履いてきたパンツを地方で捨てることに後ろめたさを感じたんだよ。
 いま俺がホテルのゴミ箱に捨てんとしているパンツは、俺の発酵してウンコが詰まる腸から出てきた生物兵器にも匹敵する臭いオナラやら、俺がビタミン剤飲んでから出した濃いションベンの雫とか、ゆる〜いウンコやら、そのティッシュの拭きかすやら、共演した巨乳ギャルの痴態を想像して本番中にこぼれ出たカウパー氏線液から、チンポから出た膿やら、アサヒ芸能の袋とじをオカズにして出された情けないスペルマなんかを散々俺にくっ付けられて、フェチ物AV女優を越える散々な思いをしただろうに、何一つ文句言わず文字通り俺の尻にひかれ履かれてくれたんだよ。それ思うと悪くてさぁ。
 これが現在を時めく美男子の坂口憲二やタッキーみたいな男に履かれてりゃ、例えそんな目に遭わされたとしても、百歩譲ってこのパンツだって旅先で捨てられる自分の運命を許してくれるだろう。しかし、散々ひどい目に遭わせて来た自分を、今、捨てんとする相手はよりによって玉袋筋太郎なんである。
 ユニクロでたった一枚五百円で買ったパンツなんだけど、嗚呼!なんとこのパンツの運のなさよ…
こんな布キレ一枚捨てるのにもなんとも悪い気がして、別れの酒をパンツ相手に呑んで、最後は本当に詫びながらホテルのゴミ箱に廃棄した。
 こいつだって、俺に脱がれて放り込まれる先は洗濯機の中に決まっていたと思う。自分にベッタリつけられた男の垢を綺麗すっきり洗濯機で綺麗にしてもらうのを至上の喜びに思っていたに違いない。
 話しはそれるが、俺は昔ダクト掃除のバイトした事あったんだけど、これがラーメン屋のダクト掃除になるともう身体中がラードやら何やらでベトベトになって、映画「バタリアン」のタールマンのように全身ドロドロになってひどい目にあった。でも、そのバイトをやっていて最高の喜びは仕事が終わってからの銭湯。雇い主もこのタールマン状態の苦しさを知ってるらしく、現場近くの一番近所の銭湯の場所を教えてくれて、銭湯に直行してそのドロドロのダクトの油を綺麗サッパリ流して出てくるまでが時給に含まれていた。ちなみに入り口で薬局なんかじゃ見たこともない粉石けんまで渡されてさ、それで身体を洗うと不思議や不思議ドロドロが綺麗に落ちたんだよ。よっぽど強烈な工業用の洗剤だったんだろうな。次の日の身体は粉吹き芋みたいにバサバサになった。   
 風呂まで世話してくれるなんて良心的なバイト先に思えるが、あんなドロドロ状態で現場でバラして(解散)、帰りの電車にそのまま乗り込んで他人にドロドロを付けてしまって後から問題になるよりは、銭湯代まで時給に含めた方が安上がりなんだろうけど。それでも俺は今日の汚れはその日のうちにって気持ちで、過酷なラーメン屋のダクトから銭湯に行って綺麗になったら、また次の日の現場に行く気が沸いたのだ(次の日はもっとドロドロになった下町の螺子切り工場)
 とにかくパンツが考えるに「たとえ今日、玉袋筋太郎に汚されても、洗濯機で身を綺麗にすれば、また新しい一日が始まる。」って思って健気に俺に履かれていたんだよ。不潔で嫌な客に指名されたソープ嬢だって、嫌々ながら悦びの演技をし、そう思って、自宅の風呂で身体の隅々まで洗ってまた次の日の客を迎えるのと一緒だ。
 1度、罪悪感一杯で捨てたパンツであるが、馴れてくるとどこでも捨てるようになった。
韓国で捨てた時には、別れ際「いくら隣の国といえど、俺がこうしてお前を韓国の地に捨てることで、反日感情を逆撫でするかもしれない。でも、明日から俺の尻から出てくる韓国料理のコチュジャンでお前をヒリヒリさせるわけには行かないんだ」と言い訳がましい男に言いくるめられ異国の地で捨てた。
 ラスベガスで捨てたときには「俺はカジノで大負けだった。長い付き合いだが、ケツの毛まで抜かれたケツの穴をお前に見せることだけは俺のプライドが許さないんだ。だから、お前とはこのべガスでお別れだ。」と
 そして、すっかりどこでもパンツが捨てられるようになって、どこからでも身軽に旅から帰れるようになった。
 先日、大阪で初めてパンツを捨てたホテルに泊まった。チェックインしてこの高級ホテルのでっかいベッドにドーンと飛び乗ってバターンと足を伸ばして大の字になる。
 シーツの上には気持ちいいフカフカのバスローブが置いてある。「こいつを風呂から出てビシャビシャのまんまで着倒してやるぞ」なんてほくそ笑んでいると、その隣に小さく綺麗にたたまれている普段このホテルには置いていないアメニティがあるではないか!手にとって広げてみてビックリ!三ヶ月前にこのホテルのゴミ箱に捨てた俺のパンツだったのだ。それが綺麗に洗濯されて、しかもダブついたゴムの周りについた毛玉まで綺麗に取られて置いてあったのだ!

0501pants.jpg

 これぞ奇跡の再会であるが、まさかこんな所で捨てた俺を待っていたなんて。
多分、俺に捨てられたゴミ箱のパンツを見たベッドメイキングの女性が「あたいも捨てられて来た人生、あんたもあたいと一緒やね」とゴミ箱からピックアップして、自宅に持ち帰って洗濯をして。「あんた、綺麗になって、あんたを捨てた男を見返しておやり」と俺が宿泊する日を待って部屋にパンツを置いたんだろう。
俺はパンツを不幸にしてしまったが、綺麗になったパンツはそのまま持ち帰りいまや、履くに履けなくて伝説のパンツとして箪笥の殿堂入りだ。
 新年一発目からなんてくだらないネタなんだと笑う御仁もいると思うが、実際に旅先でパンツを捨ててみればいい。その別れのなんとつらい事かがわかる筈だ!
 そしてご婦人方よ!どこかのゴミ箱でパンツを見かけたら、それを捨てた人間に悪い奴はいねぇよ。見つけた時にゃ「あんたも捨てられたのかい」って拾ってやって、あんたのその手でピカピカにしてやってくれ!
う〜ん、ネタはパンツだけに「はかない物語」だったかなぁ…グラッチェ!
ビュビュビューン(エキゾーストノート)

投稿者 davinci_blue : 18:25