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<title>拝啓　篠井英介様</title>
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<summary type="text/plain">古典と前衛、男と女などの境界を超え、凛とした佇まいで私たちを魅了する篠井さん。一...</summary>
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<![CDATA[<p><b><font color="red">古典と前衛、男と女などの境界を超え、凛とした佇まいで私たちを魅了する篠井さん。一体、篠井さんのステキの素って何だろう？　そこで、篠井さんのステキの素を探るべく、篠井さんとそのお友達・夢香さんとの往復書簡をこっそり見せてもらうことに……。<br />
毎月、二人から一通ずつ、お手紙が届くのでお楽しみに！<br />
今回のテーマは「空間演出」です。</font></b></p>

<div align="center"><img alt="9-1.jpg" src="http://blog.mf-davinci.com/sasai/archives/images/9-1.jpg" width="313" height="493" /></div>

<p>英介さま</p>

<p>　春到来！　花粉症の方には辛い季節ですが、私は春が大好きです！！<br />
私はちょっと前までくしゃみがとまらなかったので、いよいよ花粉症かと覚悟していたのですが、ただの風邪だったみたいです。春を嫌いにならずにすんでよかった……。<br />
　春ってワクワクしますよね。学校を卒業してからもう何年も経ちますが、新学期、新入学の4月は、新しいスタートという気持ちがします。<br />
　何かを始めたり、どこかに出かけたい気分になりませんか？</p>

<p>　英介さんはホテルが大好きなんですよね。どこかに行きたい気分の時、ホテルジャンキーの英介さんは、ホテルに泊まりに出かけるのでしょうか？<br />
　旅行のついでに泊まるのではなくて、ホテルの宿泊を目的にするのっていいですよね。英介さんにはかないませんが、私もホテルに泊まるのは好きです。<br />
　家だと、ついつい、洗濯してない。掃除しなきゃ。と他のことが気になってしまい、心からのんびりはできないんですけど、その点、ホテルはそういう心配なく、ひたすらのんびり時間と空間を使うことができる。贅沢な気分を味わえます。<br />
　ただ、ホテルから帰っても我が家が落ち着かないのでは仕方がないのですが……。</p>

<p>　先日会った友達は、一ヶ月かけて部屋の模様替えをしたと言っていました。<br />
　ここ数年の部屋のコンセプトは「趣味の部屋」だったらしいのですが、落ち着いて勉強をしたい気分になってきたので「自分を育てる部屋」というテーマで、部屋を大改造したそうです。お金も時間もかかったけど、かなり気分が変わったと言っていました。<br />
　自分のテーマに合わせて部屋を模様替えするというのもいいですよね。お芝居の舞台演出のような非日常の空間だけではなくて、日常を過ごす部屋でも空間を演出できるといいですよね。</p>

<p>　私も空間演出してますよ！　といっても、部屋ではなくてお風呂場です。<br />
　私はお風呂が大好きで、休みの日には、昼から本を読みながら何時間もお風呂に入りますし、のんびりしたい夜にはお風呂場の電気を消して、アロマキャンドルを灯してのんびりしたりします。お風呂用のお掃除道具も可愛いタワシにしたり、洗剤も容器を入れ替えて、なるべく生活感をなくすようにしてるんです。<br />
　部屋をまるごと変えるには時間もお金もない時は、プチ空間演出！　自分だけの空間が部屋の中にちょっとでもあると違いますよね。</p>

<p>　英介さんの舞台演出は、随所にこだわりが感じられて素敵だなあ、と思うのですが、お家ではどうですか？　お部屋のこだわりってあるんですか？　また聞かせて下さい。</p>

<div align="right">夢香</div>

<hr>

<div align="center"><img alt="9-2.jpg" src="http://blog.mf-davinci.com/sasai/archives/images/9-2.jpg" width="313" height="493" /></div>

<p>夢香さま</p>

<p>　今年、花粉症になった方は本当に多いみたいですよ。<br />
夢香さんは無事だったようですね。私もあやしい場所と時間帯があって、先日大きなホールにお能とお狂言を観に行ったら、なぜか鼻水が止まらなくて。まるで泣いている人のようにずっとハンカチをあててました。トホホ。</p>

<p>　春は引っ越しのシーズンだし、気分を変えて新しく前向きにいきましょうね。模様替えとまでいかなくても、この季節の大そうじもいいかもしれませんね。<br />
　私のマネージャーさんはついにマンション購入。応援しつつ自分も何かしたくなるのも春のせいですかね。</p>

<p>　夢香さんのようにお風呂場リゾート化計画はステキですねぇ。私もお風呂が大好き。さっそく見習ってやってみます。<br />
　趣味ともいえるホテル泊りのときもバスルームは大きなポイントなんですよ。近頃の新しいホテルはバスルームも凝っていて楽しいですよ。窓があったり、洗い場付や別にシャワーブースを備えていたり。流行はレインシャワーでしょうか、頭の真上からシャワーがふりそそぐ……。気持よさそうでしょう。</p>

<p>　そこまででなくても我が家でもいろいろ工夫して暮らしを楽しくしなくては。<br />
　まあ、まずは物をためこまず、すっきりと。これが難しいですよね。思い切り良く捨てることが第一でしょうか。夢香さんできますか？　実は私はちょうど一年前お部屋を大リフォームしたのです。この一年でたまった物がはっきり目に見えている今こそ、整理のしどころって感じです。全体が白のインテリアなので一年の汚れも明解でびっくりです。<br />
　仕事に追われつつも我が家を居心地良くするのは大切な基本だとわかりながら……。</p>

<p>　そうそう、そういえば舞台が始まると劇場の楽屋が生活の場になったりします。長時間そこで過しますからね。<br />
　お芝居の内容や自分の役柄に合わせてドレッサーまわりの雰囲気をアレンジしたりします。敷物やティシュボックスのカバーとか写真やカードを飾ったりとか。<br />
　これも自分の気分を安らかに、そして盛り上げたりするため。なかなか楽しいんですよ。</p>

<p>　間もなく始まる『トスカ』という舞台では私は大悪人の役。どんな化粧前にしたら良いやら……。主演の大地真央さんは可愛くもわがままな悲劇の歌姫。この大ヒロインの楽屋はいかに。ちょっと楽しみです。</p>

<p>　話は飛びますが、夢香さん食べものの好物ってなんでしたっけ？　苦手なものは？<br />
こんどお教え下さいね。<br />
　では、夜桜見物に出かけて春のカゼなど召しませんように。</p>

<div align="right">英介</div>

<p>※篠井さんのお友達・夢香さんは、架空の人物です。当連載に作品をご提供頂いている、シルクスクリーン作家の藤田夢香さんとは同一人物ではありません。</p>]]>

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<modified>2005-03-04T15:04:59Z</modified>
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<summary type="text/plain">古典と前衛、男と女などの境界を超え、凛とした佇まいで私たちを魅了する篠井さん。一...</summary>
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<![CDATA[<p><b><font color="red">古典と前衛、男と女などの境界を超え、凛とした佇まいで私たちを魅了する篠井さん。一体、篠井さんのステキの素って何だろう？　そこで、篠井さんのステキの素を探るべく、篠井さんとそのお友達・夢香さんとの往復書簡をこっそり見せてもらうことに……。<br />
毎月、二人から一通ずつ、お手紙が届くのでお楽しみに！<br />
今回のテーマは「儀式」です。</font></b></p>

<div align="center"><img alt="8-1.jpg" src="http://blog.mf-davinci.com/sasai/archives/images/8-1.jpg" width="171" height="400" /></div>

<p>英介さま</p>

<p>　朝夕はまだ冬の名残の冷え込みが続きますが、さすがに日差しは春めいてきたように思います。<br />
英介さんは、インフルエンザや流行の風邪にかかりはしませんでしたか？　私は大丈夫でしたが、私の実家では、全員代わる代わるに高熱を出して寝込んでいたそうです。</p>

<p>　つい最近、新年を迎えたと思ったらもう春なんですね。慌しくしている間に、あっという間に冬が終わってしまったような気がします。英介さんは、節分の豆まきをなさったんですね。しかも、毎年やっていらっしゃるとか。</p>

<p>　私、今年の節分の日はすっかり忘れてました……。そのせいなのかどうなのか、つい先月のことなのですけど、2月をどうやって過ごしていたのかあまり思い出せないんです。<br />
　毎年、きちんとやっているわけではないのですけど、去年は思い出して、節分の日に歳の数だけ豆を食べました。それぐらいで、今年と大して変わらない生活を送っていたのだろうとは思うのですが、節分の日を覚えているので、何となくその前後のことも一緒に思い出せるんですね。</p>

<p>　それであらためて季節の行事の大きさを実感しました。子どもの頃は、親や学校が年中行事を体感させてくれていましたが、今みたいに一人暮らしで仕事しながらだと、よほど自分で意識していないとだめですね。でも、そうして何もやらずに１年間を振り返ると、何だか物足らない気がするんですよね。<br />
　英介さんは、それがわかっているから毎年必ず豆まきするようにしているのでしょうか。まあ、たまにご近所に見られて恥ずかしいこともあるやもしれませんが。（笑）</p>

<p>　季節の行事もそうですが、儀式というのは大切だなあ、と思うようになってきたのは、ようやく最近のことです。儀式というのが仰々しいなら、習慣と言い換えてもいいかもしれません。昔は、面倒くさがってそういうものを軽視していたように思います。<br />
　いや、今でも十分怠け者なので、大切だとは思いつつもなかなか出来ないのですが（苦笑）、例えば、寝坊して朝ごはんもお化粧もそこそこに家を飛び出した日と、ゆったり出かけた日とでは、その日一日の生活のリズムがずいぶん違うように思います。朝の身支度の時間もひとつの儀式なんですね。<br />
　英介さんは、自分だけの儀式的習慣のようなものは持っていますか？　</p>

<p>　あともう少しで桜もほころびそうです。ご一緒にお花見でもしたいですね！</p>

<div align="right">夢香より</div>

<hr>

<div align="center"><img alt="8-2.jpg" src="http://blog.mf-davinci.com/sasai/archives/images/8-2.jpg" width="169" height="400" /></div>

<p>夢香さま</p>

<p>　「春は名のみの……」とはよく云ったものでまだ寒い日が続きますね。<br />
　節分もそうですが、暦は本来旧暦によっているので、現在は一ヶ月ぐらい早くなってしまっているのですよね。</p>

<p>　ひなまつりも実は一ヵ月後が昔の姿だと思えば、ずっと春らしく桃も香るというものです。<br />
　今、この旧暦を大切に生活にとり入れようという人達も多くいるそうですよ。季節を体感しながら暮らす意味では、道理に叶っているんですね。<br />
　木々や草花は正直なもので、近所の見事なしだれ梅の古木は五分咲きです。毎日そばを通るたびにさわやかな匂いを吸い込みつつ出かけています。</p>

<p>　夢香さんこそ、日々のちょっとした儀式はないのですか？　創作のお仕事の上で必ずやるセレモニーみたいのはありませんか？<br />
　私はこれといってないのですが、小さなひな飾りはちゃんと年に一度のご出座をしました。五月五日の節句にも、ほんの小さな兜をテーブルに飾ったりします。<br />
　夢香さんがおっしゃるように、季節の区切りを自分でつけないとずるずる一年なんてあっという間ですからね。<br />
　桜の木もなんとなく小さな芽をつけて、そわそわしているのをみると自分にも新しい気分を吹き込まなくちゃと思うのです。</p>

<p>　といいつつ、今は間もなく始まる次のお芝居の稽古の準備です。といっても台詞を少し口になじませておくぐらいの事ですが。<br />
　近頃はぐっと記憶力も衰えて、台詞憶えにも時間と労力がかかって大変なんですよ。<br />
もちろん一ヶ月は稽古しますから共演者あっての演劇ですけど、まずは自分の台詞をちゃんとしておかないとね。<br />
　正直、私は女形なので今回のような壮年の男性役の方が難しくて……。実は台詞も女性役の方がすんなり憶えられたりするんです。不思議でしょう？</p>

<p>　そんな風に、一人で苦闘している日々です。決して不真面目ではないのですが、なかなか一人で台詞憶えするのも根気がいるんです。ついつい本を読んだり、ビデオをみたり、なんとなく逃げたい気になって掃除を始めてみたり……なんてね。まるで試験勉強中の学生のようになっています。</p>

<p>　我ながらぐずぐずしすぎていると思う時は、思い切ってホテルへ行くことにしてるんです。ホテルの部屋には掃除するところも、読みかけの本もありませんから、腹をくくって台詞と格闘するはめになるというものです。<br />
　何しろホテル代という資本をかかっていますから無駄には出来ないと頭も仕事モードに切り替わります。自分を追い込む苦肉の策でしょ。どうぞ笑って下さいな。</p>

<p>　というわけで、あちこちの都内のホテルに行くうちに何だかマニアみたいになってしまい、今やホテルが趣味みたいになりました。何だかトホホ、ですよね。<br />
　あまりに無趣味な私を心配してくれてる友人などは手放しとはいえないまでも「まあ、いいんじゃないの」くらいには認めてくれています。<br />
　夢香さんも近場で気分を換えるのにお試しあれ。</p>

<p>　そうそう、インフルエンザもまだ油断できませんよ。くれぐれもお気をつけて下さい。<br />
夢香さん、花粉アレルギーは大丈夫でしたっけ？　今年はこれも要注意です。</p>

<p>又、お便りしますね。</p>

<div align="right">篠井英介</div>

<p>※篠井さんのお友達・夢香さんは、架空の人物です。当連載に作品をご提供頂いている、シルクスクリーン作家の藤田夢香さんとは同一人物ではありません。</p>]]>

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<modified>2005-02-07T02:48:49Z</modified>
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<![CDATA[<p><b><font color="red">古典と前衛、男と女などの境界を超え、凛とした佇まいで私たちを魅了する篠井さん。一体、篠井さんのステキの素って何だろう？　そこで、篠井さんのステキの素を探るべく、篠井さんとそのお友達・夢香さんとの往復書簡をこっそり見せてもらうことに……。<br />
毎月、二人から一通ずつ、お手紙が届くのでお楽しみに！<br />
今回のテーマは「20代のうちにしておきたいこと」です。</font></b></p>

<div align="center"><img alt=" 7-1*.jpg" src="http://blog.mf-davinci.com/sasai/archives/images/ 7-1*.jpg" width="287" height="365" /></div>

<p>英介さま</p>

<p>　こんにちは。英介さんに、風邪に気をつけて！などと言っておきながら、年始早々、私の方が風邪を引いてしまいました……。<br />
　もう元気になりましたが、今度は花粉症でくしゃみが出始めました。今年は観測史上、1、2を争う多さの花粉が飛散するというのは、どうやら本当のようですね。これからが本番なのに、今からこんな状態なんて……。春が来るのが恐ろしい！</p>

<p>　私は今年で29歳になるのですが、来年はもう30歳なんて信じられません。立派に大人といえる年齢なのにあまり実感がなく、本当に時の経つのは早いな〜と思います。<br />
　英介さんも手紙に書いて下さいましたが、年上の方からよく、30代は20代よりもあっという間に過ぎるよ。と言われるのですが、きっとそうなのでしょうね。</p>

<p>　よく、自分は30歳になったら何をしているんだろう。素敵な女性になっていたらいいなあ。と、10代の頃にあれこれ思い描いて楽しみにしていたのですが、実際は、理想とはずいぶん違うような気がします。<br />
　確かに、好きな仕事をして、どうにかこうにか生活してますけど、もう少し優雅な生活を思い描いていたのですが……。あんまり成長してないような気がします。とても自分のことを大人の女性とは思えない。<br />
　こういうことは、後になって振り返ってみないとわからないものなのか、それとも私にたいした進歩がないのか、自分ではよくわかりません。</p>

<p>　20代最後の年となる今年。ぜひとも有意義に過ごさねば！と思っているところです。<br />
英介さんは20代最後の年の思い出とかありますか？　あと、20代の時にこれをしておいてよかった。とか、これをしておけばよかった。と思うことは？　よかったら教えて下さい。あと1年の間に出来そうなことがあれば参考にします。（笑）</p>

<p>　英介さんは花粉症は大丈夫ですか？　今年は厳重な備えが必要なようですよ。ご注意下さい。それではまた。</p>

<div align="right">夢香より</div>

<hr>

<div align="center"><img alt="7-2*.jpg" src="http://blog.mf-davinci.com/sasai/archives/images/7-2*.jpg" width="202" height="400" /></div>

<p>夢香さま</p>

<p>　花粉症はおつらいですね。私は今のところ大丈夫ですが、いつそうなるかわかりません。いろいろ対処法を工夫するしかないようですね。友人のお母さんはこの季節、沖縄へ逃避するらしいですよ。すごい！</p>

<p>　さて、夢香さんは節分の豆まきしましたか？　私は必ずやってます。<br />
　節分の夜、こっそりと小さな声で、少しのお豆をアパートの玄関から「鬼は外、福は内！」とやって、その後、コソコソと一人豆を拾います。ご近所に迷惑がかからないように。<br />
　家族がいないと様にならないことこの上なく、自分でもちょっと可笑しくも寂しくも思いつつ……。夢香さん、想像して笑ったでしょ。</p>

<p>　お正月はたいてい金沢の実家で迎えますから、節分は、私にとっては東京での一年の区切りの日といえるんですよ。<br />
　一年を無事に過ごしたいと願う気持ちは、年々深くなります。心は30代ですが、最近は、それなりに身体に老いを感じてとまどいます。<br />
　夢香さんは30歳を目前に、少し焦ってますか。やはり女性は30歳を迎える感慨があるんでしょうね。</p>

<p>　でも、いろんな不安や後悔もひっくるめ、エネルギーに換えて30代に突入せよ！ですよ。なにしろ人生は30歳からです。<br />
　周りの人のこと、社会のこと、何より自分自身のことも、ようやく見えてきたこの頃じゃありませんか。<br />
　私は30代、夢に向かって疑いなく進んでいました。楽しく充実してたなあ。</p>

<p>　仕事に恋愛に、あふれるパワーと周囲との調和を計ることのできるような大人を目指して前進しましょう。<br />
たとえば、たくさんの人に甘えたり助けてもらったり。今度はどうやってそれを自分なりにお返しできるか考えたり。もうすぐ若者にアドバイスする自分を見つけたり。これが出来る30代。わくわくしませんか。</p>

<p>　まだまだ老いることに不安をもたなくていいんですよ、夢香さんは。<br />
正直うらやましいなあ。人生ずっと30代ならなあ、と本気で思うのですよ、私は。<br />
許せる限り自分のことにうつつを抜かしていいんです。素敵じゃないですか。<br />
　まずはご自分の健康あってのことですから、くれぐれもお元気でね。<br />
なんだか私も、もう一度30歳になった気分で今年を歩みます。<br />
　次のおたより心待ちにしています。</p>

<div align="right">英介</div>

<p>※篠井さんのお友達・夢香さんは、架空の人物です。当連載に作品をご提供頂いている、シルクスクリーン作家の藤田夢香さんとは同一人物ではありません。</p>]]>

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<content type="text/html" mode="escaped" xml:lang="en" xml:base="http://blog.mf-davinci.com/sasai/">
<![CDATA[<p><b><font color="red">古典と前衛、男と女などの境界を超え、凛とした佇まいで私たちを魅了する篠井さん。一体、篠井さんのステキの素って何だろう？　そこで、篠井さんのステキの素を探るべく、篠井さんとそのお友達・夢香さんとの往復書簡をこっそり見せてもらうことに……。<br />
毎月、二人から一通ずつ、お手紙が届くのでお楽しみに！<br />
今回のテーマは「運を味方につけるには？」です。</font></b></p>

<div align="center"><img alt="6-1*.jpg" src="http://blog.mf-davinci.com/sasai/archives/images/6-1*.jpg" width="263" height="365" /></div>

<p>英介さま</p>

<p>　寒中お見舞い申し上げます。先月の半ばぐらいから、寒くなってきましたね。いよいよこれから冬本番といったところでしょうか。</p>

<p>　英介さんは昨年、叔母様を亡くされたのですね。存じ上げず、申し訳ありませんでした。<br />
実は私も、昨年伯父を亡くしまして、父と年齢が近かったこともあり、色々と考えてしまいました。</p>

<p>　さて、年末年始はゆっくり過ごせましたか？　舞台のお稽古でそれどころではなかったのでしょうか。<br />
私は、実家でのんびりしていました。両親と初詣に出かけたのですが、昨年の出来事を振り返り、真っ先に家族の健康と平和を願いました。被害はなかったのですが、親戚が新潟にいたものですから、やはり他人事とは思えず。とはいえ「今年こそ彼氏ができますように」というお願いも忘れずにしておきましたけれど！</p>

<p>　ところで、私は毎年、年の初めにおみくじを引くことにしているのですね。<br />
　去年は、大吉を引いて喜んだものの、よくよく文面を見ると、他のことはすべて良いのに、肝心の恋愛・結婚のところだけが「待て」「遅れる」と禍々しい言葉が並んでおり、何度引き直しても似たような内容でがっくりしたのでした。</p>

<p>　そんなことを思い出しつつ、今年もおみくじを引いてみたのですが、結果は中吉。なかなかいいですね。で、肝心の恋愛運はというと「女難に注意」でした。微妙……。<br />
　うう〜ん。どちらかというとライバル以前に出会いについてのお告げがほしかったのですが。（笑）</p>

<p>　おみくじに意気込んだりして、呆れられたでしょうか？　<br />
　でも、どうせいいことしか信じないし、すぐに忘れてしまうくせに、おみくじや占いってやりたくなってしまうんですよね。女の子は特に、「運命」とか「運勢」という言葉に弱いと思います。<br />
　実際、「あの人は運が強い」と、思わずにはいられない人っている気がするし。運勢って一体、何なのでしょうね。どうすれば、良い運を引き寄せられるのかしら。</p>

<p>　今度の舞台は、占うまでもなく素晴らしいものだろうと期待しています。初日に観に行きますから、風邪など引かないように気をつけて下さいね。それでは。</p>

<div align="right">夢香より</div>

<hr>

<div align="center"><img alt="6-2*.jpg" src="http://blog.mf-davinci.com/sasai/archives/images/6-2*.jpg" width="231" height="365" /></div>

<p>夢香さま</p>

<p>　年末は暖かくて油断していたら、やっぱり冬本番になりましたね。<br />
お風邪など召してませんか。<br />
　私もお正月は実家で過ごしました。両親も高齢ですから一緒に過すのが何よりの孝行だと思っています。</p>

<p>　それにしても1年の過ぎるのが何と早いこと。夢香さんは今年いくつ？　おっと失礼しました。それは内緒ということで……。<br />
　私ぐらいの年になると時間のたつが少年期の３倍ぐらいに感じられてしまうんですよ。何だか体内時計が変になってる感じ。<br />
　読書し始めて、「30分位たったかな。」と時計をみると「うわっ、1時間以上たってる！」なんてね。</p>

<p>　そんな感じですから、この先時間を有効に、と心がけつつ、かといって、焦っても仕方ないので、ゆったりと構えていかねば、とも年頭に思うのです。<br />
　なるべく寄り道せずに、自分の希望や夢や理想が叶えられるようにと思うのですが、果たしてどうがんばればよいのやら……と。この年になっても考えあぐねてしまいます。<br />
　そこで夢香さんのように年の初めのおみくじやら縁起をかついだり、お守りを求めたりと……神だのみもありかな。</p>

<p>　たしかに「運のいい人」とかっていますよね。<br />
　たぶん私が思うに、運は「人」だといえるんじゃないかしら。「人」とは自分と縁のある他人であり、また自分自身でもある、と。<br />
　宝くじに当たった人が人格者だとは言いませんけど。只、宝くじに当たったことが幸運とも言い切れないと思いませんか。<br />
　仕事運も恋愛運もやっぱり自分じゃないですか。もちろん、目にみえない縁とか出会いは本当にあると思うし、またそれが人生の不思議でもロマンでもありますよね。<br />
　自分が求めていること、それに目がけている志が運を招くと信じたいものです。</p>

<p>　と言いつつ、私はいろいろ縁起をかついでしまう方で、お芝居の楽屋の化粧前にはこれはここに置いて、とか、このＴシャツを着てると上手くいくとか。気にしちゃったりするんですけどね。<br />
　目にみえないものへの畏敬の心は持っていたいと思うのです。<br />
　それが、自分は先に旅立たれた人達に生ある私達が守ってもらっている。先人に恥ずかしくないように暮らそう。などという気持ちにさせてくれたり、心の支えにもなると思いませんか。</p>

<p>　ところで、夢香さんの創作はいかがですか。今年の抱負は、言葉にするよりも作品で表されることでしょうね。出会う人に無限の感性を写えてくれる夢香さんの絵を心待ちにしています。<br />
　私も心に思う芝居もいくつかあって、実現に向けて少しづつ行動しなければと考えています。舞台は多勢の人のお力を借りなければ成功しませんからね。<br />
　その意味では私は仲間に恵まれているとつくづくありがたく思っています。<br />
　そう、運がいいんですよね。</p>

<p>　寒さに負けないようにお元気でお過ごし下さい。</p>

<div align="right">英介</div>

<p>※篠井さんのお友達・夢香さんは、架空の人物です。当連載に作品をご提供頂いている、シルクスクリーン作家の藤田夢香さんとは同一人物ではありません。</p>]]>

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<modified>2004-12-06T14:50:10Z</modified>
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<![CDATA[<p><b><font color="red">古典と前衛、男と女などの境界を超え、凛とした佇まいで私たちを魅了する篠井さん。一体、篠井さんのステキの素って何だろう？　そこで、篠井さんのステキの素を探るべく、篠井さんとそのお友達・夢香さんとの往復書簡をこっそり見せてもらうことに……。<br />
毎月、二人から一通ずつ、お手紙が届くのでお楽しみに！<br />
今回のテーマは「一期一会」です。</font></b></p>

<div align="center"><img alt="5-1.jpg" src="http://blog.mf-davinci.com/sasai/archives/iamges/5-1.jpg" width="290" height="365" /></div>

<p>英介さま</p>

<p>おかえりなさい！　旅公演おつかれさまでした。<br />
電車で函館から札幌までの旅かあ。いいですね。ずっと寝食を共にしていると、自然とチームワークもよくなりそうですね。</p>

<p>さて、先日の英介さんのアドバイスに背中を押されて、思いきって片想いの彼に告白をし（！）、結果は、玉砕でした……。でも、スッキリしました。<br />
「短い人生、好意を持った人には、好意を伝えなくちゃソン！」ですもんね。<br />
きちんと気持ちを伝えることができてよかったです。今は、さあ次へ！　という気分です。</p>

<p>英介さんは特に、演劇という一期一会の芸術を通して、人一倍実感しているのだろうと思いますが、私は最近になって「一期一会」という言葉に対する想いが変わってきたように思います。<br />
何と言うのでしょうか。以前より、真摯な気持ちで受け止めるようになってきたかも。</p>

<p>昔は、ずっと続くもの、変わらない関係があると、頭から信じて疑わなかったけど、恋愛でも、友情でも、親との関係だって、みんな変わっていくんですよね。<br />
悲観的な意味じゃなくて、歳を重ねて色んな経験をすることで、自分もどんどん変わっていくわけだから、お互いに求めることや、人との付き合い方も当然変わっていく。以前は、それをとても悲しいことだと思っていたのですが、その思いも少し変わってきました。</p>

<p>例えば子どもの頃は、恥ずかしいのと意地っ張りなのとで、なかなかすぐに「ごめんなさい」が言えなかったり、ほめられても「ありがとう」と言う言葉がすぐ出てこなかったりしたのですが、今は、そういう気持ちを伝えることに、躊躇をしないようにしています。<br />
特に、いいことは積極的に伝えるようにしています。私も自分の作品をほめられると、やっぱりうれしいし。相手は私の性格をよくわかっているから、言わなくても汲んでくれるだろう、と思ってはいけないな、と。</p>

<p>う〜ん、まあ、当たり前のことといえば当たり前のことなのですが。<br />
もしかして「一期一会」の話からズレてますか？　<br />
こんなことを思うのも、自分の両親をみていて、歳をとったな、と思う機会が増えてきたからかもしれません。</p>

<p>一期一会とは、「茶会に臨む際は、その機会を一生に一度のものと心得て、主客ともに互いに誠意を尽くせ」といった茶会の心得が語源だそうですよ。深いですよね。</p>

<p>英介さんも旅公演中、普段とは違う出会いや面白い出来事など、「一期一会」な体験をたくさんなさったのではないですか？　ぜひ、お土産話を聞かせて下さい。楽しみに待ってます。それでは。</p>

<div align="right">夢香より</div>

<hr>

<div align="center"><img alt="5-2*.jpg" src="http://blog.mf-davinci.com/sasai/archives/images/5-2*.jpg" width="365" height="253" /></div>

<p>夢香さま</p>

<p>　いよいよ寒くなってきましたね。<br />
台風や震災の被害を受けた方々の身にも冬はやってきます。苦しく、つらい思いをされた今年は、皆さんの人生に忘れられない何かを刻まれた年になったに違いありません。<br />
早く暖かで安心した生活を送れるように祈るばかりですね。</p>

<p>　夢香さんは元気ですか？　創作のほうはいかがでしょう。<br />
お一人で創造するお仕事だから大変でしょう。楽なように思われがちですが、仲間がいないのは、逆に大変なんじゃないかと……。<br />
演劇の場合は、たとえ「一人芝居」といえど、脚本や演出があって、美術、照明など、現場ではたくさんの仲間と共に創ります。<br />
ですから、そんな一人きりの仕事は、私にはさぞ厳しいことのように思えます。<br />
「自分との戦い」なんてよくスポーツでいいますが、きっと夢香さんもそうなんでしょうね。</p>

<p>　さて、思い切って片思いの人に告白したんですって？　あらら、アドバイスした身としては責任重大です。「結果は玉砕……」とのこと。ううん、難しいですね、恋愛って。<br />
でも、「きちんと気持ちを伝えることができてよかった」と思えたのならすばらしい。</p>

<p>この世で思いどおりにならないのは人の身と心――とは、いつも私の思うところです。<br />
かなりのことが、努力とか周りの人の助けで、何とかなってゆくと楽天的に思っている私ですが、人間の生命と感情だけは、どうにもままならない。そう思います。<br />
それでも時は過ぎゆくわけですから、それを憂いてあんまり立ち止まっていてももったいない、とも感じるのです。</p>

<p>　　夢香さんも、変わりゆくことを実感して、受け入れて、楽しもうと考えているようですね。<br />
私もこの頃、物事を“あと回し”にしないように気をつけてます。<br />
日常の煩雑なことも、できることからやっちゃえ、と。あとに回す時間はないぞ。<br />
やっときゃよかったって後悔したくないというか……。<br />
ことに、人との関りにおいては、できる限りのことを、と思うようになりました。</p>

<p>実は、今年の二月に叔母を亡くしました。<br />
まださほどの年令でもないのにこの世を去ってしまい、びっくりしました。まだこれから恩返しを、と思っていながら出来ずじまい。<br />
命のはかなさを痛感しつつ、自己満足かもしれないけれど、大切な人には、今できる限りの事をしよう、又、伝えよう、とつくづく思ったのです。<br />
自分の周りにいる人達との関りこそ、自分の生きていることの証しとすれば、お互い幸せをめざして良き間柄でいることこそ生きること、なんて云うと大げさですかね。<br />
仕事にしたって、評価したり認めてくれたりする人あってですからね。</p>

<p>そんな風に思うと、今伝えておくこと、今できることを、ちゃんとやらねばと感じる今日この頃です。これも“一期一会”ですね。<br />
大切なのは、すべてを完璧に、なんて思いすぎないこと。気ままに、自分にとって大切な人、重要なことについて、見送りせずにやってゆくということ。<br />
つまり、自分には何が大切で、気持ちよく、元気が出て、充実するのかをセレクトする目と勘が大事ですよね。<br />
これこそが幸せになる極意のように思えるのですが、いかがでしょう？<br />
自分自身の本質的な望みに気づかずに、違うことに努力したり……思い違いをしていること多々ありが人生かも。<br />
　なんだか深く難しくなってきた。いつもお説教臭くなってごめんなさいね。</p>

<p>　私は明日からまた旅公演です。東から北の小さな町を中心に、二十ヶ所も回ってお芝居してきます。雪の北海道ではおいしいものを食べなきゃ。おいしいみやげ話をお楽しみに。</p>

<div align="right">英介</div>

<p>※篠井さんのお友達・夢香さんは、架空の人物です。当連載に作品をご提供頂いている、シルクスクリーン作家の藤田夢香さんとは同一人物ではありません。</p>]]>

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<title></title>
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<modified>2004-11-05T15:02:35Z</modified>
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<summary type="text/plain">古典と前衛、男と女などの境界を超え、凛とした佇まいで私たちを魅了する篠井さん。一...</summary>
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<email>hattori@mediafactory.co.jp</email>
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<![CDATA[<p><b><font color="red">古典と前衛、男と女などの境界を超え、凛とした佇まいで私たちを魅了する篠井さん。一体、篠井さんのステキの素って何だろう？　そこで、篠井さんのステキの素を探るべく、篠井さんとそのお友達・夢香さんとの往復書簡をこっそり見せてもらうことに……。<br />
毎月、二人から一通ずつ、お手紙が届くのでお楽しみに！<br />
今回のテーマは「恋愛上手になる方法」です。</font></b></p>

<div align="center"><img alt="4-1.jpg" src="http://blog.mf-davinci.com/sasai/archives/images/4-1.jpg" width="252" height="365" /></div>

<p>英介さま</p>

<p>拝啓　日ごとに秋が深まってきましたね。<br />
『心中天の網島』公演、おつかれさまでした。噂通りのエロチックな舞台、とっても面白かったです。<br />
舞台も衣装も照明も、シンプルだけど、ところどころハッとするような演出があって、本当に見惚れてしまいました。<br />
心中かあ……そこまで強く激しく人を好きになるってどういう感じなのでしょうね。<br />
心中を肯定する気はないけど、そこまで人を好きになれるなんて少しうらやましいなと思って観ていました。</p>

<p>英介さんは無趣味とおっしゃるけど、少しでも演技や舞台に関係することは、何でもとことん勉強なさるから、趣味といえなくなってしまうのではないですか？<br />
私なんて、やりたがりで飽きっぽいものだから、次から次へとあれこれ手を出しては、何も身につかないうちにやめてしまうんですよね。ま、でもこれも私の性分ということで、よしとしてるんですが……。</p>

<p>ところで、英介さんの手紙の中の一文でとっっても気になる箇所がありました。<br />
「人を好きになると熱中してしまうんですが、これこそ思うにまかせずストレスが……。」<br />
なんて、もしかして英介さん、今、恋をしているんですか！？<br />
それで、第三の思春期に突入しちゃったんですね！　そうでしょう！！</p>

<p>実は、私も今、気になる人がいるんです。といっても片想いなのですけど……。<br />
は〜、私は互いの思いを遂げるために心中を決意する以前に、自分の気持ちを伝える勇気すら出せずにいます。<br />
28歳にもなって意気地なしですよね。でも、私が奥手なのは英介さんもご存知でしょう？ <br />
英介さんもおっしゃるように、恋愛って思うにまかせずストレスがかかるでしょ？<br />
うまくいけばいいけど、うまくいかないと仕事どころか下手したら日常生活にも支障が出てきちゃうし。<br />
今が大事な時なのに、これで告白してフラれちゃったりしたら、絵どころじゃなくなっちゃうんじゃ！　<br />
――なんて、言い訳ですよね、やっぱり……。<br />
友達にもよく私は恋愛下手だって言われます。私もそんな自分にうんざりなんですけど。<br />
あーあ、どうしたら恋愛上手になれるのかしら？</p>

<p>こういう話は、長くなりそうなので、またゆっくりと。<br />
そうですね、美味しいおでんでも食べながら。あ、湯豆腐の方がいいかな、それとも……。<br />
う〜ん、考えておきまーす！　ではまた。</p>

<div align="right">敬具</div>

<div align="right">色気より食い気の夢香より</div>

<hr>

<div align="center"><img alt="4-2.jpg" src="http://blog.mf-davinci.com/sasai/archives/images/4-2.jpg" width="365" height="256" /></div>

<p>夢香さま</p>

<p>　拝啓　お芝居を観にきて下さって、ありがとうございました。気晴らしになればうれしいのですが。<br />
演劇はマイナーな芸術ですが、劇場という一つの空間で同じ空気を吸って、同じ時間を共に生きるという、表現者と観客にとって一期一会の芸術です。<br />
夢香さんの作品のように作者の手を離れ、形として残るすばらしさに憧れもありますが、一瞬で消えてゆく私達の仕事も、潔くてやっぱり好きです。</p>

<p>　さて現在は、先日の舞台の旅公演の最中です。函館から電車で札幌へ移動中。<br />
薄曇りながら、北海道の大地と海がツアーの気分を盛り上げてくれますよ。<br />
仲間とは宿舎もずっと一緒ですから、家族みたいになります。<br />
メンバーは皆、お酒が大好き。飲めない私も、夜毎の酒盛りに参加して、仲間の思いがけない一面を見たり、芝居の話に花を咲かせたりと楽しんでいます。<br />
とにかく人間は可愛くて、愉快で、興味深い。</p>

<p>そうそう、この前のお手紙にあった恋の話です。<br />
夢香さんご自身で「奥手」なんておっしゃってますが、誰かと比較してるんですか？<br />
恋愛も一期一会、一つとして同じ関係はないと思うようにしている私です。<br />
他と比較しだすと、ここが違う、こうでなくてはならない、などと思い込むようになりそうでしょ？<br />
自分とその恋の相手は唯一の出会い。<br />
二人だけの関係もまた唯一のものなんだと思えば、何か思うように進まなかったり、壁に突き当たったときも、気楽に柔らかく考えられると思うんですが、いかがでしょう？<br />
　小説や映画、友人の話などは参考程度にしておきましょう。</p>

<p>だから、夢香さんも奥手なんて思わないで。<br />
ただ性分とか気性があるから、自分にあったアプローチを見つけたいですけど……難しい。<br />
私など短い人生、好意を持った人には、好意を伝えなくちゃソン！　なんて思うようになりました。<br />
かりに思いは叶わなくても、自分の心は納得できるし、癒されるはずだと信じたいんですね。<br />
傷つくとか落ち込むとかいっても一時のものです。恋の傷は恋でしか癒されないから、さぁ次へ、なんて精神でね。<br />
成就できればそれはすてきな事ですが、叶わなくても人の心にとってすばらしい糧を産み出してくれるのが恋愛だと思いませんか？</p>

<p>　夢香さん。恋愛上手になんかならなくていいですよ。無責任なようだけど、ほんと。<br />
人は変化し続けなくちゃ、つまらない。<br />
万一、恋愛で仕事や人生が変わってもいいのさ、ワクワク！　ぐらいに思って生きていきましょう。<br />
何しろ私達アーティストなんだし……と自分自身を励ましつつ……。</p>

<p>　それから、夢香さんは新潟にご親類やご友人はいませんか？　<br />
被災した皆さんが、早く諸事情が改善されてちゃんとした生活ができますよう祈るばかりです。<br />
　私は帰京したら、すぐ次の舞台の稽古です。また遊びにいらして下さいね。</p>

<div align="right">敬具</div>

<div align="right">英介</div>

<p>※篠井さんのお友達・夢香さんは、架空の人物です。当連載に作品をご提供頂いている、シルクスクリーン作家の藤田夢香さんとは同一人物ではありません。</p>]]>

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<title></title>
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<modified>2004-10-05T17:35:58Z</modified>
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<summary type="text/plain">古典と前衛、男と女などの境界を超え、凛とした佇まいで私たちを魅了する篠井さん。一...</summary>
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<email>hattori@mediafactory.co.jp</email>
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<![CDATA[<p><b><font color="red">古典と前衛、男と女などの境界を超え、凛とした佇まいで私たちを魅了する篠井さん。一体、篠井さんのステキの素って何だろう？　そこで、篠井さんのステキの素を探るべく、篠井さんとそのお友達・夢香さんとの往復書簡をこっそり見せてもらうことに……。<br />
毎月、二人から一通ずつ、お手紙が届くのでお楽しみに！<br />
今回のテーマは「素敵な歳の重ね方」について。</font></b></p>

<div align="center"><img alt="3-1.jpg" src="http://blog.mf-davinci.com/sasai/archives/images/3-1.jpg" width="265" height="365" /></div>

<p>英介さま</p>

<p>拝啓　英介さん！お手紙ありがとうございました。<br />
英介さんが私の作品に対して「エロチック」だと思って下さってうれしいです！　<br />
とたんに元気になりました。</p>

<p>それにしても、共演の女優さんが、何気なくゴミを拾っていったというエピソードは素敵。通り過ぎた後の香水の残り香のようで、「色気」というよりは「色香」という言葉の方がしっくりくる気がしますね。<br />
でも、外見・内面ともに備わっていることを、「色も香もある」というくらいだから、色香のほうがより高度かも。う〜ん、色っぽい女への道はまだまだ果てしない！</p>

<p>英介さんの手紙に書かれている<br />
“「色気」がゆとりの中に潜んでいるような気がしてきましたが。”<br />
という一文には、なるほど、と思いました。<br />
確かに、私が素敵だな、色っぽいなと思う人ってゆったり構えた方が多い気がします。<br />
緊張感と抜けのバランスが取れているというか、肩の力が抜けているというか。</p>

<p>あと、潜んでいるっていうのも大事なところですよね。<br />
一見、穏やかで凛とした雰囲気の英介さんが、演じている時に見せる野性味や狂気。一体、どこに隠していたのかしら、と思います。私が英介さんに対して「色気」を感じるのはそんな時でしょうか。言葉にすると、やっぱりちょっと恥ずかしいですね。（笑）<br />
でも、そういう普段はなかなか見えない部分が見え隠れすると、ドキッとしますよね。</p>

<p>さて、英介さんは年齢を経た方々に色気を感じるということですが、私も年配の方で、粋でカッコイイ人に出会うとうれしくなります。<br />
女性は特に、まだまだ若さが信奉されているところがありますし。<br />
私の友達でも、歳をとることを異常に怖がっている子や、30代以上・独身・子ナシの負け犬にはなりたくない！て焦っている子がけっこういます。<br />
でも、どうせ歳はとるんだし、だったら粋でカッコイイ大人になりたい！そう思います。<br />
英介さんは、素敵に歳を重ねていくために、心がけていることってありますか？　<br />
また、身近にお手本にしている方とかいるのですか？　<br />
よかったら教えて下さい。</p>

<p>今度の「色っぽい」舞台、必ず観に行きます。くれぐれもお身体大切に！</p>

<div align="right">かしこ</div>

<div align="right">夢香</div>

<hr>

<div align="center"><img alt="3-2.jpg" src="http://blog.mf-davinci.com/sasai/archives/images/3-2.jpg" width="365" height="209"></div>

<p>夢香さま</p>

<p>拝啓　厳しい夏の暑さも、何度かやってきた台風と共にようやく去りましたね。<br />
あちらこちらで被害があったようですが、夢香さんのご親類やご友人は大丈夫でしたか？<br />
天災は本当にどうすることもできません。</p>

<p>そういえば、夢香さんのご出身も年令も私、知らなかったんですね。<br />
　私も年をとるなんて、十年位までは他人事のように思っていたのに、ここ数年はめっきり老けこんで……。いえ、実際に体力や気力が以前と違うのに気がつかされるんですよ。老眼は一年程前から始まりました。もう、びっくりです。<br />
　俳優業も色々で、二枚目の人、キャラクターのある方、若くから老け役専門なんて方もいますから一口で云えません。<br />
男は年を重ねて深みが出るなどという評価もありますから、「そうだ、そうだ！」と自分をなぐさめつつ、なんてところがこの中年という不安定な時間を生きぬくコツなのでしょうか。</p>

<p>変な云い方ですが、私には第二の思春期のような……誤解しないで下さいね。心と体のバランスが、ということですよ。こんな仕事ですから気は若い。未婚の一人者としては学生時代の延長線のように役者の道を歩んでいるのですが、急に老いをつきつけられたような気分なのです。<br />
ここ二年ばかりの落ちつかない心と体は、まだ夢香さんにはわからないでしょうね。<br />
　男の私でさえ顔のたるみや、しわに鏡をみてぎょっとするんですから、まして女の方はとお察しします。ですから、どうしたら上手に元気に年を重ねてゆけるかは私も良い知恵がほしいところです。</p>

<p>「自分の夢みた道を歩めていいねぇ」などと学生時代の旧友などに云われますが、好きなことを本気で職業にしていくのには、かなり努力も必要だし、自由業なりのストレスもありますよね、夢香さん。<br />
　夢香さんにとって作品を創ることは、やむにやまれぬことなのかしら。あふれ出てくることもあれば、産みの苦しみもあるに違いないでしょう。まして創作で生計を立てるとなると大変ですね。<br />
　好きな事のはずが苦しみに転じる時もままあるんじゃないですか？　カッコよく云えば芸術家のこれは宿命でしょうか。</p>

<p>　気晴らしのはずが、遊びや趣味がストレスになるなんてことも起ってしまうのが現代社会の落し穴のような気がしませんか。<br />
私がほんとうに無趣味なのは夢香さんもご存知の通りです。<br />
友人も演劇、つまり仕事以外に熱中できるものを持て、と云ってくれるのですが……。<br />
楽器も、陶芸も、自動車を運転するのにも、楽しめるところまでゆくにはそれ相当の努力が必要ですよね。そこへゆくまでの根気が私にはないんです。<br />
弁解めきますが、仕事でできないことをがんばってできるようにする日々、この上がんばりたくない、とつい感じてしまうのです。<br />
人を好きになると熱中してしまうんですが、これこそ思うにまかせずストレスが……。<br />
夢香さんはどうでしょうか？<br />
自分の性分を見極めて、本当に自分の心と体が欲するものを選んでゆく。<br />
これが上手な老い方、かな。<br />
　夜など肌寒い日がありますのでご用心下さいね。</p>

<div align="right">敬具</div>

<div align="right">英介</div>

<p>※篠井さんのお友達・夢香さんは、架空の人物です。当連載に作品をご提供頂いている、シルクスクリーン作家の藤田夢香さんとは同一人物ではありません。</p>]]>

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<title>拝啓　篠井英介様</title>
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<modified>2004-09-20T10:11:38Z</modified>
<issued>2004-09-06T13:41:54Z</issued>
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<created>2004-09-06T13:41:54Z</created>
<summary type="text/plain">古典と前衛、男と女などの境界を超え、凛とした佇まいで私たちを魅了する篠井さん。一体、篠井さんのステキの素って何だろう？　篠井さんの世代を越えたお友達である夢香さんに、大好きな英介さんのステキの素を探るべく、篠井さんに宛ててお手紙を書いてもらいました。今回のテーマは「色気」について。粋でカッコイイ大人になりたい方は必見！</summary>
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<![CDATA[<p><b><font color="red">古典と前衛、男と女などの境界を超え、凛とした佇まいで私たちを魅了する篠井さん。一体、篠井さんのステキの素って何だろう？　篠井さんの世代を越えたお友達である夢香さんに、大好きな英介さんのステキの素を探るべく、篠井さんに宛ててお手紙を書いてもらいました。今回のテーマは「色気」について。粋でカッコイイ大人になりたい方は必見！</font></b></p>

<center><img alt="2_1.jpg" src="http://blog.mf-davinci.com/sasai/archives/home/web/davinci/htblog/sasai/img/2_1.jpg" width="450" height="203"></center>

<p>英介さま</p>

<p>　拝啓　残暑の中にも秋の気配が感じられる季節となりましたね。<br />
英介さんお久しぶりです。お元気ですか？　<br />
今年の夏は凄まじい暑さでしたね。体力には自信のある私も、すっかり夏バテしてしまいました。体が弱ると悶々と色々なことを考えちゃいますよね……。</p>

<p>　実は最近、信頼する画廊のオーナーからドキッとするようなことを言われたのです。<br />
「君の作品、素敵だけど……もっと色気が欲しいね」て。<br />
　私自身、彼にそう言われる前からちょっと思うところがあって、それを言い当てられたような気がしたものだから、なおさらドキッとしました。といっても、作品の「色気」についてじゃなくて、どちらかというと、私自身の「色気」について考えていたのですが……。</p>

<p>　私も今年28歳。細々とではあるけど仕事もして、まあ何とか経済的に自立もできるようになりましたし、恋愛もいくつか経験してきました（今はしてないけど……）。<br />
　だけど、私、本当に大人の女性っていえるのかしら？　何かが足りない気が……。と思っていたところに「作品に色気がない」て言われて、ハッとしたんです。作品は、私自身を映す鏡ですから。<br />
　男性でも女性でも、なんか色っぽいなっていう人、いるじゃないですか。私が素敵だなー、大人だなーって思う方って、皆さん色っぽいんです。ボンッキュッボンッの悩殺ボディーの美人とか、長身でマッチョな美男子じゃなくても。</p>

<p>　それで、私が真っ先に思い出した色っぽい大人が英介さんだったんです。英介さんはマッチョで男っぽいタイプじゃないけど（失礼！）、品があって色っぽい方だと思うんです。<br />
　舞台の上の英介さんは、すごい迫力で気を放ってるけど、普段会うと、いつもニコニコ笑顔で穏やかで。そういうところがまた魅力的。<br />
　色気って大人になったら自然と身につくものとか、色気も色々とか言ってくれる人もいるけど、ホントにそうなのかしら？それとも、ない人には一生ないのかしら！？</p>

<p>　英介さんも、昔は私のように悩んだことがあったのでしょうか？それとも、元からそんな悩みとは無縁の方なのですか？何か秘訣があったら教えて欲しいです。<br />
　久しぶりのお手紙なのに、お悩み相談みたいになってしまってごめんなさい。<br />
　もうすぐ舞台ですよね。楽しみにしています。<br />
　まだまだ秋涼とはいいにくい残暑が続いています。くれぐれもご自愛下さいませ。　</p>

<div align="right">敬具</div>

<div align="right">夢香　</div>

<hr>

<center><img alt="2_2.jpg" src="http://blog.mf-davinci.com/sasai/archives/home/web/davinci/htblog/sasai/img/2_2.jpg" width="450" height="311"></center>

<p>夢香さま</p>

<p>　拝啓　夢香さん、お便りありがとうございます。この夏を無事に過ごされたご様子なによりです。もう東京ではクーラーのない夏は考えられませんね。でも、クーラーも一晩中つけっぱなしでは……。とにかくお年寄りには体にこたえるあの暑さ。心配になってしまいます。</p>

<p>　ところで、夢香さんの作品に「色気がない」といわれた画廊のオーナーさんはおいくつですか。男性でしょうか。<br />
　と伺うのも「色気」なんていうものは、ほんとに実体のないもの。十人十色の感じ方があるでしょう。年代や職業によっても違うだろうし。<br />
　私は夢香さんの作品は「色気あり」だと思いますよ。「セクシー」ではないけれど「エロチック」ではある。<br />
　ね、こう云う風に云い出すと何の事やらわからなくなりますよね。<br />
　色気なんて、身につけようとして得られるものではないと思うのですが、どうでしょう。色気のある人になろうとガンバッてる人を見て、果たしてそう感じられるかしら……。</p>

<p>　私が「色っぽい」と思って下さって、ありがとう。ちょっと照れくさいけど。<br />
私のプライベートが色気満点ではないのは、夢香さんもご承知の通りですよ。<br />
　じゃ、もし私が色っぽいとすれば、それは何でしょう。夢香さんからみて、私のどこが、何が色気？　又、夢香さんにとって、ほかのどんな人が色っぽいんでしょう。<br />
ぜ　ひ、教えて下さいな。</p>

<p>　役者は華がなきゃ、とか色気が大事とか、昔から必ず言われているし、私ももちろん身につけたいと、こんな中年になっても思ってるんですよ。一緒に「色気」考察してみましょうよ。<br />
　あ、そうです。私にとっては、年齢を経た方々に色気を感じることが多いことに気がつきました。<br />
　若い芸者さんより、着物が体の一部になってしまったような年配の芸者さんの帯から胸元。歩みをとめて一休みしているおじいさんがふとポケットに手を入れる仕草。<br />
　「年輪」とか「粋さ」とか……。ますます、抽象的になってきちゃいましたね。<br />
　私には「色気」がゆとりの中に潜んでいるような気がしてきましたが。<br />
　夢香さんはどう思います？</p>

<p>　もう一つ、最近心に残った私的色気を感じたシーンを思い出しました。<br />
　お芝居のお稽古中のこと、ちょっとしたブレイクの時間、私が廊下でコーヒーとたばこで休憩していると、共演の女優さんがあらわれました。二言、三言、とりとめのない会話を交わした後、女優さんは私から離れてお稽古場のドアへ。ふとその時、彼女は足元に落ちている紙くずに気がついて、さらっと拾って去って行ったんです。<br />
　それだけのことです。<br />
　でも、私には、その誰が落としたかしれないゴミを何気なく、当り前のように拾い上げた瞬間が、ある場面として目に残ってしまっているんですよ。<br />
　地味なＴシャツにジャージのとても外には出られない、ひっつめ髪の彼女は色っぽかったんです。<br />
　夢香さん、どう思いますか？</p>

<p>　私が夢香さん自身を色っぽいと思うかどうか……。これは今日は内緒にしておきます。<br />
　まあ、画廊のオーナーの言葉は気にせずに、お仕事をしっかりと。<br />
　私も今、演出、出演を兼ねる次の舞台のけい古に、がんばってますから。<br />
　夢香さんも観に来て下さいね。「色っぽい」舞台になりますから。<br />
　ではお返事楽しみにお待ちしています。夏のおつかれ出ませんように……。</p>

<div align="right">敬具</div>

<div align="right">英介　</div>

<p>※篠井さんのお友達・夢香さんは、架空の人物です。当連載に作品をご提供頂いている、シルクスクリーン作家の藤田夢香さんとは同一人物ではありません。<br />
</p>]]>

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<title>はじめまして。ササイエイスケです。</title>
<link rel="alternate" type="text/html" href="http://blog.mf-davinci.com/sasai/archives/2004/08/post.html" />
<modified>2004-09-19T13:40:43Z</modified>
<issued>2004-08-05T15:00:00Z</issued>
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<created>2004-08-05T15:00:00Z</created>
<summary type="text/plain">WEBダ・ヴィンチに、舞台、映画など多方面で活躍中の俳優・篠井英介さんが初登場！　ということで、連載第一回目の今回は、篠井さんの自己紹介から。
　篠井さんを語る上で欠かせないキーワード・女形。篠井さんが、歌舞伎における女形でも、いわゆる俳優でもなく、「現代劇の女形」を志した理由とは一体何だったのでしょう？</summary>
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<![CDATA[<p>　<font color="red">WEBダ・ヴィンチに、舞台、映画など多方面で活躍中の俳優・篠井英介さんが初登場！　ということで、連載第一回目の今回は、篠井さんの自己紹介から。<br />
　篠井さんを語る上で欠かせないキーワード・女形。篠井さんが、歌舞伎における女形でも、いわゆる俳優でもなく、「現代劇の女形」を志した理由とは一体何だったのでしょう？</font></p>

<p><img alt="1_1.jpg" src="http://blog.mf-davinci.com/sasai/archives/home/web/davinci/htblog/sasai/img/1_1.jpg" width="250" height="361" / align="right">　どうして舞台俳優になったのでしょうか。<br />
　まず、着飾る願望があったような気がします。といっても、5つくらいの子供ですから、変身願望というようなものでしょうか。<br />
　僕は、『ウルトラマン』にも（※1）『スーパージェッター』にもなりたいと憧れたほかに、（※2）『鏡獅子（かがみじし）』の獅子の精のように白頭の毛をつけて、紅白の牡丹の造花の小道具を持ちたいとも思ったのです。奇妙でしょうか？　いいえ、誰でも自分独自の変身願望の1つや2つ、妄想したことがあるでしょう。<br />
　そして、僕にとって重要なのは、『鏡獅子』の勇敢な獅子の舞の（※3）前シテは、気高い女小姓だということです。<br />
　歌舞伎舞踊の大曲『春興鏡獅子（しゅんきょうかがみじし）』は、江戸城大奥で、将軍から余興を所望された奥女中の弥生が、踊りを披露するうちに、手にした彫りものの獅子頭の魂が乗りうつり、獅子の精となってゆくという物語です。舞踊ですから設定はあるものの、それほど設定にはこだわらず、もっぱら前半は美しい女形舞踊の姿態を、後半は勇ましい荒事風の豪快な所作を堪能すれば良いのです。<br />
　僕にとって、これは『仮面ライダー』の変身以上の魔力をもって、心奪われる格好よさでした。いえ、今でも僕は、本邦の芸能の白眉といってもいいほど、格好いい演目だと信じています。男が女を演じてうっとりと酔わせておいて、一転、同一人物が百獣の王となってみせる格好よさは無類ではありませんか。<br />
　また、女形舞踊の双璧ともいえる（※4）『娘道成寺』には、全曲上演の機会は少ないものの、実は、後ジテがあって、鐘の中で嫉妬の念によって変身した女は蛇体となって現れます。こちらは女の蛇の精ですが、鬼女ですから恐しくも中性的でもあり、やはり壮快で格好いいのです。<br />
　　子供の頃の僕は、『娘道成寺』を真似して、母のタンスから一番朱の多い長襦袢を引きずり出して身につけ、悦に踊ってみせていました。（これは最近、亡祖父が録ってくれていた8ミリのフィルムを弟がDVDにしてくれて再見。ほんとに踊っている自分に驚いたものです。）</p>

<p>　庶民の娯楽であった歌舞伎が、見物人の血を沸かせるために格好よく出来ているのは当たり前です。そんな民族のＤＮＡを持った子供の僕が、性の変身のその格好よさに魅了されたのも全く不思議ではないではありませんか。<br />
　男が女に、そして、その逆もまた変身の最たる願望で、アジアでは古来神々までも性を取り替える自由さがあります。神様でさえやっているんですから、格好良くて、おまけに神聖にさえ思えてきます。そこで、ご存知のように芸能も、能・狂言、歌舞伎（祖は阿国という女の男装踊り）は、男が女の役も演じる伝統となります。<br />
（※5）文楽も、基本は男の演じる芸能で、男の人形使いが女の人形も操り、物語を語る男の大夫は、登場人物のすべてのほか、森羅万象まで語って聞かせるすごさです。（各地の村の祭りに男衆が女装する習慣があったりして……。）<br />
　こうなると我が国の芸能は、男が女を演じる歴史ともいえるわけで、これに携わったプロは、それこそ命がけで女を演じきったはずなのです。</p>

<p>　当時5歳だった僕は、女の着物を着て人前で踊ることが、格好よくて楽しかったのでしょう。家族は面白がって囃したて、高じた僕は踊りを習いたいとねだります。日本舞踊とはつまり、歌舞伎舞踊が市井に広がったものですから、当然、女形舞踊として男の子も（※6）『藤娘』（※7）『手習子』をお稽古します。特に幼いときは、男女ともに女の役から習うのが常です。理由は、その男子が、後々立役（男役）になっても、小さい頃に女形の勉強をしておくと、色気と柔軟さが身につくと言われているからです。<br />
　僕が全く最初に習ったのは「♪てんてんてんまり てんてまり♪」で知られる童謡『毬と殿さま』でした。先生が、｢はあい。あんよをお嫁さんのあんよにしてぇ。｣とくり返しおっしゃったのを憶えています。あんよとは足の事ですね。｢お嫁さんのあんよ｣とは足を内輪に、つまり八の字の形にして歩いたり、「決め」のポーズをとったりしなさい、との意味です。そうするためには、少しひざを曲げていないと上手く出来ません。姿勢をまっすぐにしつつ、ひざを折って立ち、歩く。これを先生は｢お腰を入れて｣とか｢お腰を折って｣とか言いました。40年も前のことですが、古風な師匠は、今もこう言って指導しているに違いありません。</p>

<p>　こうして僕は、女形への歩みの一歩を、文字通りに踏み出したわけです。<br />
　思春期の頃、中学校の校則による男子の坊主頭が嫌で、お稽古を休んだり（何故だか丸刈で着物をきることがひどく恥ずかしかったのです。今思えば、これでは変身できないと感じていたのかもしれません。）したものの、踊りは大好きで、弟達とチャンバラをしたりしつつ、胸の中には縫い取り（刺繍）の大振り袖や、ゆらゆらするかんざし簪（かんざし）を夢想していたのだろうと思います。<br />
　僕は、本当に幸せなことに、男が女を演じることを禁ぜられるどころか、学ぶことができました。これは今思うと、古典芸能の家の子弟以外では考えられない、ほとんど奇跡のようなことです。時代を考慮してもです。<br />
　今でこそ、両親にも環境にも感謝していますが、当時の僕は、望むことは叶うのだと思い込んでしまったのです。芸術家にとって信じ込むこと、あてどなかろうが自信が必須要素なのは、現在の僕にはわかるけれど、こんな小さな頃に得た確信は、疑いがなく、強くて純粋です。｢女の踊りが上手｣だといううぬぼれで、本当に職業としての女形になれてしまったのだと、現在の僕は、何だか自分に感心してしまいます。</p>

<p>　歌舞伎の女形ではなく｢現代演劇の中での女形｣。それが今の僕の仕事です。さて、もちろんこの40年の間に難関はあったものの、僕はかなり真っすぐに夢を叶えてこられたのではないでしょうか。<br />
　踊りを習わせてもらえた当時、世は高度成長期でテレビが家にきたり、食べ物も豊かになって、僕と同世代の人達の中には、何でも手に入る、文明は発達しつづける、と思ってしまう性分の人も多いでしょうね。それでも各人、壁にぶつかったり、岐路に立たされたりで、人生はままならぬこともすでに知っている事でしょう。<br />
　再度言わせてもらえば、僕は幸せです。子供の頃なりたかったモノになっています。<br />
この先はともかく、現時点でこんな幸せはないでしょう。そして僕は、この女形という職業に自信と誇りをもっているし、まだこの先の夢も欲もあるのです。</p>

<p><img alt="1_2.jpg" src="http://blog.mf-davinci.com/sasai/archives/home/web/davinci/htblog/sasai/img/1_2.jpg" width="250" height="282" / align="right">※1【スーパージェッター】<br />
昭和40年に生まれた、日本で初めての本格的タイムトラベルSFアニメで、筒井康隆や豊田有恒、眉村卓らを輩出した不朽の名作。<br />
（スーパージェッター公式サイトhttp://www.s-jetter.tv/）</p>

<p>※2【鏡獅子（かがみじし）】 <br />
歌舞伎舞踊。長唄。新歌舞伎十八番のひとつ。本名題『春興(しゅんきょう)鏡獅子』。大奥の腰元が、鏡開きの祝いに神前の手獅子を持って踊るうち、その精が乗り移って舞い狂う。前半のあでやかな娘の踊りと、後半の能「石橋(しゃっきょう)」を取り入れた豪快な獅子の狂いが好対照。</p>

<p>※3【シテ】 <br />
能の主役。ひとつの演目が二部形式になっている複式能では、通常は同一人物が演じるが、前半の役を前シテ（前ジテ）、後半の役を後シテ（後ジテ）と呼ぶ。</p>

<p>※4【娘道成寺】<br />
歌舞伎舞踊。長唄。本名題『京鹿子娘道成寺（きょうがのこむすめどうじょうじ）」。通称、『道成寺』『娘道成寺』。1753年、江戸中村座で初世中村富十郎が初演。能の「道成寺」に取材した道成寺物舞踊の代表作。僧安珍に恋をした清姫が、安珍を追いかけて道成寺までやってきて、鐘の中に隠れた安珍を蛇体となって鐘ごと溶かし殺したという伝説をその背景とする。</p>

<p>※5【文楽】 <br />
「文楽座」の略で、「文楽座」が明治末期に、唯一の人形浄瑠璃専門の劇場となったところから、人形浄瑠璃の通称。</p>

<p>※6【藤娘】<br />
歌舞伎舞踊。長唄。五変化舞踊、本名題『歌へす余波大津絵(かえすがえすなごりのおおつえ)』。1826年江戸中村座初演。大津絵にある藤の枝をかついだ娘の姿を舞踊化したもの。</p>

<p>※7【手習子】<br />
歌舞伎舞踊。長唄。本名題『杜若(かきつばた)七重の染衣(そめぎぬ)』。1792年江戸河原崎座初演。寺子屋帰りのおしゃまな町娘の姿を描いたもの。</p>]]>

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