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2004年11月06日

時代に翻弄される人々を描く大河小説、コミック

限りある生を超えて、韜々と流れ続ける時代の大河。その流れは、時として、巨大な渦や逆巻く波となり、人の運命を弄ぶ。戦争、革命……激動を生きた者たちの、熱く哀しく壮大なドラマ。その傑作は?<有効投票数>1131票(一人MAX3作まで投票可)

1位『ベルサイユのばら』 池田理代子 集英社文庫ほか
137票

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ブルボン王朝最後の王妃マリー・アントワネット、彼女を護る男装の麗人オスカル。フランス革命という歴史の転換点において、時代の流れに逆らいし者と身を投じた者――あまりに劇的なそれぞれの運命と愛を描いた歴史大河コミックの傑作。

●歴史を築いていく立場の王・王妃が時代に翻弄される様に、時代自体が生きているんだと思わせられる(23・女・公務員)
●恋愛あり、スリルあり、歴史も学べる大傑作(28・女・短大生)
●オスカルとアンドレの関係がせつない。個人の力を超えた歴史の重さを感じる(24・女・会社員)

2位『燃えよ剣』 司馬遼太郎 新潮文庫
84票

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すべての価値観が揺らぐ動乱の幕末、愚直なまでに己の信じる道を生ききった一人の男がいた。その名は、新選組副長・土方歳三――。本作で描き出された彼の「美学」は、敗者と勝者を生み出す歴史の非情を超えて、永遠に輝き続ける。

●時代に翻弄された代表格といえば新選組!(26・男・会社員)
●時代の流れによって表舞台に登場した土方や近藤の生き様がリアルに描かれている(25・女・パート)
●歴史はときに個人を裏切るが、自分に嘘をつかなければ朽ちてもいいと思う(22・男・大学生)

3位『三国志』 横山光輝 潮漫画文庫ほか
60票

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中国で読み継がれる『三国志演義』をもとに、劉備、曹操、諸葛孔明など、英傑たちの天下統一をめぐっての闘いを描いた長編歴史コミック。巨星たちが放つ強烈な光とともに、その煌きを一瞬にして過去にする悠久なる歴史の流れをも描ききる。

●その時代に生まれたが故に闘わねばならない武将たちは川に浮かぶ木の葉のように思える(32・男・自由業)
●魏・蜀・呉の魅力ある名将、君主それぞれに思い入れがあり、涙する(29・女・会社員)

4位『銀河英雄伝説』 田中芳樹 徳間デュアル文庫ほか
55票

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宇宙暦8世紀、人類は銀河帝国と自由惑星同盟という2つの陣営に分かれ、戦いを繰り返していた。それぞれの陣営の若き天才、ラインハルトとヤン・ウェンリー。その宿命の戦いを中心に、壮大なるスケールで描かれる和製スペース・オペラの傑作。

●登場人物が大きな流れに翻弄され、いい人が幸せにといったステレオタイプでない運命を全うする様が凄い(30・女・会社員)
●同盟、帝国双方が丁寧に描かれ、どちらが正しいというわけではないんだなと感じる(29・女・パート

5位『はいからさんが通る』 大和和紀 講談社漫画文庫
47票

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大正時代を舞台に、お転婆で酒乱の花村紅緒と帝国陸軍少尉・伊集院忍の運命の恋を描くロマンティック・コメディ。シベリア出兵、関東大震災など、歴史の波に翻弄されながらも、真実の愛を求めて前向きに生きるヒロインの姿が共感を呼ぶ。

●動乱の時代に前向きな主人公が落ち込んだり悩んだりするのが印象的(27・女・会社員)
●戦争や貴族の没落など、時代の中で女が強く逞しく生きる姿を描いていて頼もしい(32・女・パート)


6位『大地の子』 山崎豊子 文春文庫
43票

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戦後、大陸に取り残された日本人戦争孤児・陸一心。温情ある養父によって育てられるが、再び、文化大革命という悪夢に直面することに。TVドラマ化もされ、歴史の不条理に翻弄されながらも逞しく生き抜いた主人公たちの姿が感動を呼んだ。

●圧倒的悲劇の中、生きることの過酷さと希望を説得力満点に語る。まさに大河!(24・女・大学院生)
●戦争は運命を狂わせる最大のものだと思う(36・女・会社員)

7位『竜馬がゆく』 司馬遼太郎 文春文庫
42票

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土佐の郷士の次男坊として生まれ、一介の浪人の身でありながら、薩長連合、大政奉還という大事業を成し遂げた坂本竜馬。激動の時代に、権威に頼らず自ら変化を作り出した男の生き様を描き、時代を超えて憧憬されるヒーロー像を確立した名著。

●時代の流れの大きなうねりを苦にせずダイナミックに生きる竜馬。魅力的すぎます(36・女・主婦)
●結末を知っていても最終巻まで目が離せない。人の生き様は結末だけではないと思う(32・女・主婦

8位『あさきゆめみし』 大和和紀 講談社漫画文庫
39票

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日本が世界に誇る王朝文学『源氏物語』を漫画化。天に愛でられて生を享けた光源氏をめぐる華麗にして切ない恋模様。時代の常識に縛られながらも、それぞれの愛を生きた女性たちの姿が活き活きと描き出され、古典をぐっと身近なものにした。

●時代や制度に翻弄される姫や、翻弄されまいと頑張る姫たちの姿が浮かび上がる(22・女・大学生)
●男尊女卑の時代に、それぞれに多様に生きる女性たちが魅力的(27・女・会社員)

9位『王家の紋章』 細川智栄子 プリンセスコミックスほか
35票

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考古学を学んでいるキャロルは、遺跡発掘現場で甦った女王によって古代エジプトに連れ去られてしまう。エジプトの王に求愛され、ヒッタイトの王子に攫われ……ヒロインの波乱の運命が世代を超えて読む者をひきつける超ロングセラー。

●現代と古代を行き来する主人公は時代に翻弄されっぱなし。そして男性にも……(29・女・会社員)
●ヒロインの恋愛が、王位争いや戦争など歴史物ならではの要素に阻まれながら進んでいくから(30・女・会社員)

10位「十二国記」シリーズ 小野不由美 講談社文庫ほか
22票

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12人の王と12頭の麒麟が治める12の国からなる異世界へと連れてこられた女子高生・陽子。異なる歴史と価値観を有する国々の争いの渦中に投げ込まれ、生きるための闘いを強いられる彼女が、苦悩しながら成長していく様に心打たれる人多数。

●フィクションだとは信じられないぐらい。一つの国の歴史書を読んでいるよう(18・女・高校生)
●世界の理に定められた状況に置かれても、自分をしっかり持って歩んでいく姿勢には学ぶべきものがたくさんある(24・女・会社員)


傾向分析
少女たちの間でフランス革命マニアを増殖させ、大河歴史コミックというジャンルを切り拓いたともいえる『ベルサイユのばら』が堂々のトップ。2位には、日本史上トップクラスのモテぶりを誇る土方歳三を描いた『燃えよ剣』がつけた。この2作の共通項は、自らの夢や意志、誇りを貫き、結果的に時代の「負け組」となった者が描かれていることだろう。『三国志』、『銀河英雄伝説』も、「勝ち組」「負け組」の枠を超えて異なる立場で時代と関わりあう人々の群像を多面的に描き出している。また、時代の波に巻き込まれながらも強く生きぬく庶民を描いた『はいからさんが通る』『大地の子』などもランクインした。もしかすると、真に時代の「勝ち組」、いや主役といえるのは、これらの作品の主人公たちなのかもしれない。


11『オルフェウスの窓』 池田理代子 集英社文庫 30票
12『BASARA』 田村由美 小学館漫画文庫 29票
13『バガボンド』 井上雄彦 吉川英治/原作 講談社モーニングKC 25票
14『風と共に去りぬ』 マーガレット・ミッチェル 新潮文庫ほか 24票
15『日出処の天子』 山岸凉子 白泉社文庫 21票
16『火の鳥』 手塚治虫 角川文庫ほか 19票
17「グイン・サーガ」シリーズ 栗本 薫 ハヤカワ文庫 18票
18『るろうに剣心』 和月伸宏 集英社ジャンプC 17票
19『天上の虹』 里中満智子 講談社漫画文庫ほか 16票
20『アルスラーン戦記』 田中芳樹 光文社カッパ・ノベルズ 14票


少数派

『分岐点』古処誠二
●戦時中の事件が描かれているが、「人」に力点が置かれており、深く考えさせられる。時代と人の関わりを描くという意味では、私にとってナンバーワン(23・女・公務員)

『新・平家物語』吉川英治
●源平ともに栄華と辛酸があったのだろうが、そこに真の幸せが存在したのだろうかと思わされる(26・男・自営業)

『黒い悪魔』 佐藤賢一
●黒人奴隷の血を引いた文豪デュマの父親がこれほど劇的な人生を送ったとは知らなかった。この父の存在があったからこそデュマの数々の名作が生まれたのかもしれない(24・男・会社員)

『陋巷の狗』森村 南
●岡田以蔵の話す土佐弁が、生きていて、躍動感をもって描き出されている。もしかしたら、こんな人物だったのかなと思わせられる(36・女・会社員)

『覇王伝説 驍(タケル)』島崎 譲
●優しい人柄ゆえ戦国の世を生き抜けないだろうといわれていた主人公が、自由と平和の国を造ろうと仲間と共に立ち上がり、成長する姿に一喜一憂してしまう(29・女・会社員)

『天璋院篤姫』宮尾登美子
●主人公の篤姫自身は変わらないのに幕府の時代と明治に入っての周りの状況があまりに違いすぎる!(23・女・フリーター)

『天の涯まで』 池田理代子
●ポーランドという日本人にはなじみの薄い国が舞台だが、国が分割されるという歴史の悲劇をわかりやすく描いている(38・女・ケアワーカー)

『出口のない海』横山秀夫
●戦時中、人間魚雷にのった主人公について書かれている。心情変化がわかりやすくて、のめり込める(17・女・高校生)

『聖戦記エルナサーガ』 堤 抄子
●世界が破滅に向かっているときに別の方向を見て、行動し、悩むことで良き因果を引き寄せる。話の流れが秀逸です(25・男・会社員)

『スリー・アゲーツ』 五條 瑛
●北朝鮮から脱出する過程が、現代の時代の動きに翻弄されていると思う(34・女・会社員)

『お登勢』 船山 馨
●淡路に生まれた女性が、愛に翻弄されて北海道まで渡り、新たな生活を踏み出す。主人公の強さに打たれる(32・女・文筆業)

『風の王国』毛利志生子
●唐の皇帝一族の娘が古代チベットへ政略結婚で嫁ぎ、文化の違いや夫との関係で悩みながらも、成長していく姿に共感(22・女・大学生)

『RAINBOW』安部譲二、柿崎正澄
●戦後、最も弱者であった施設の少年たちの生き様がすごい。彼らは死を意識させられることで、生を実感しているのがわかる(23・女・フリーター)

『人民は弱し 官吏は強し』 星 新一
●戦争という大きな流れに流されながらも、定点を忘れないでいようとする生き方に涙(22・男・大学生)


2月号(1/6発売)のテーマ『思わず声を出して笑ってしまう本』

投稿者 davinci_orange : 2004年11月06日 00:00