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2004年11月19日

ビヨンド・ザ・ロック 2

第二回「ロッカーはライブ中本当にノリノリなのか?」

言ってしまうと、いつもそうとは限らないものなのである。やっぱり、体調や精神状態によって「のらね〜な〜」って日も正直ある。
「俺はいつでもノリノリ、外したことない」
と豪語するミュージシャンもいるだろうが、多分そういう人はコカインかスピードをやっているということだ。
 では、乗り切れない頭で演奏中にロックミュージシャンが何を考えているかというと、たいがいは、しょうもないことを考えている
『後ろの方の人影、田舎のおばあちゃんに似てねぇか!?
とか、例えばライブハウスの闇に包まれた後方を見ながら、そういった真にどうでもよいことだ。
『いや、あれ本当に荻津のおばあちゃんじゃねぇの?
などと、「戦えジェロニモ!戦え怒れ!Fight!Fight!!」なんて詞を絶叫しながら、わざわざ確認のためにモニターに足をかけ身を乗り出したりもしてみるのだ。そして、
『そうだっぺ!あれやっぱ荻津のおばあちゃんだぁ!
ついに確信するに至ることも。しかしなぜ荻津のおばあちゃんが俺のGIGに!? 東京見物にコース入りか? 冥土のみやげに初ロックと言うことか? 気になってもうライブどころではない。ハレホロでなんとかステージを終え、客の引けたホールに見に行ってみると、荻津のおばあちゃんが立っていたあたりには、茶色のゴミ袋が人の高さほどに積み上げられていたのであった。遠目におばあちゃんの様に見えたのだ。
 …ただ、そういったミュージシャン側の心ここにあらぬ心情が、お客さんにバレるということはあまりない。「今日はノリノリでしたね」「なんかライブ中、つまらなそうに見えましたよ」ライブ後のアンケートを読むとお客さんはそれぞれ独自の解釈でミュージシャンのノリを計ろうとしていることがわかる。でも、テレパシー能力でもない限りは、残念だが憶測の域を出ることは不可能というものなのである。
 例として、記録映画「ディレクターズカット ウッドストック 〜愛と平和と音楽の3日間〜」におけるジミ・ヘンドリックスの表情を見てほしい。伝説のライブに大トリで出演したジミの表情。とてもクールながら、ノリノリと言われればそう観ても取れる。ところがこのウッドストック、3日間で数十万人を集めながらジミの出る頃には月曜日になってしまっていたために、客の多くは会社や学校へ行くために帰ってしまい、編集でごまかしているものの、実はステージ前にはもう数千人しか客が残ってはいなかったのだ。それを踏まえてもう一度ジミヘンの表情を観てみよう。どうだろう、さっきのクールが、単にやる気の失せたションボリ顔に見えてくるではないか。で結局、69年のあの日、ジミがノリノリだったのか否かは、彼の死んだ今ではもう誰にもわかりはしないのだ。
 こんな話もある。ザ・スターリンの15周年ライブに登場した遠藤みちろうさん、アコースティックギターを抱え「天国の扉」を唄い出した。固唾を飲んで聞いている客たちの大半が皮ジャン・モヒカンのパンクスだ。と、突然、みちろうさんが「ウオオオオオッ!」と叫びなが床をのたうちまわり始めたのだ。狂気のパフォーマンスにパンクスたちも驚いた。
「み、みちろうやっぱスゲー!!」
パンクだ!これがパンクってもんだぜっ!
 パンクスたちは遠藤みちろうの絶叫に呼応して、「ウオオオオッ!」と一斉におたけびを上げた。さらに拳をオンエア・イーストの天井に高々とつき上げたものだ。
 僕もこの日ゲスト出演していた。楽屋に戻って来たみちろうさんに「かっこよかったっス」と最大限のリスペクトで告げると、遠藤みちろうが頭をカキカキこう言ったのだ。
いや〜、歌ってたら足つっちゃった。誰も助けに来てくれないんだよね〜」
観客どころか、ミュージシャン同士でさえ、ステージ上にいる人の心情などわかりはしないということだ。
 だから逆にお客さんは、例え舞台上のロッカーがインキンタムシで悶え苦しんでいただけの時であっても「今夜も彼ったら最上級にノリノリだわ!」と思ってみることこそが、自分に幸福なライブの見方と言えるでしょう。
 個人的には、僕がライブ中に「ハッ!」と何かに気付いたような顔をした時は大概、「あ、やべ!タダで入れてやるって言ったネーちゃんの名前、招待リストに書き忘れた!」てことを考えています。ロックミュージシャンって意外にそんなあたりの人々よ。え!?俺だけなの?



愛のブー劇場
第二回「パパとボクとでテキーラ・サンライズ」の巻

「パパはロック
ミュージシャン
なんだぞ!!
セッション
するか!?」
20041119_1.jpg

「かっこいい〜
パパ
よ〜し、
ボクもロックを
歌います!」

「イーグルス
なんかどう?
ウエストコースト
って今来てると
思うんだよね」
20041119_2.jpg

「しぶいところ
つくな!よし、
パパがギターで
伴奏だ。
レッツ!
ブー!!」

「ウェルカム・
トゥ・ザ・
ホテル
ブーホルニア!!
20041119_3.jpg 「えっ!!
カ……カリフォルニアでは!?」
「サッチャ
ラ〜バプレ〜」
20041119_4.jpg 「サッチャ
ラ〜バプレ〜」
「ウェルカム・
トゥ・ザ・
ホテル
ブーホルニア!!
20041119_5.jpg

「い……いや
だから
カリフォルニアだってば」

「サッチャ
ラ〜バプレ〜」
20041119_6.jpg 「サッチャ
ラ〜バプレ〜」
「ドモ
アリガット
ミスター
ロボット!」
20041119_7.jpg 「げっ!今度は
スティックス
ときたかっ!
しかも
『ミスター
ロボット』」
「ドモ!」 20041119.jpg

「あ……ドモ!」

  20041119_9.jpg

愛の
ブー劇場、
次回も
よろしく!!

投稿者 davinci_orange : 00:01