2008年07月16日(水曜日)
【HR】 マンネリの理由
少し涼しい33℃。昼間はガレージや書斎は暑くなる。小説の仕事はリビングで。パスカルのためにクーラが効いているからだ。工作室もクーラで涼しい。小説のためにコンディションを整えよう、という気がないみたいである。
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スバル氏を美容院へ送っていき、留守番している間にゲラを読んだ。「どちらかが魔女」のゲラは60%まで進捗。素晴らしい仕事量。短編集の2冊同時発行で、講談社では初の普通の(箱入りでない)ハードカバーになる。表紙に使う写真を今選んでいるところ。今日は、「スカイ・クロラシリーズ」の単行本の方の重版の連絡があった。「スカイ・クロラ」は第8刷になって、ハードカバーの記録更新中。「スカイ・イクリプス」も早3刷に。あの青い空の写真は、鈴木成一氏が写真をCG加工して作ったものだ。今回の映画化で、象徴的なイメージになっている。鈴木氏のクレジットが本来入っていてもおかしくない、と感じるほどだ。
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昨日注文した機関車は、すぐにリプライが来て、なんとか入手ができそう。僕の書いた文章を昔から知っている人は感じるかもしれないけれど、「欲しいな」とか、「あったら良いな」と書いたものが、必ず数年後に実現する傾向がある。製品として発売になったり、誰かが譲ってくれたり、作ってくれたり。希望がつぎつぎに叶ってしまうのだ。どうしてだろうか、と考えてみたのだが、やはり、現実的な希望を持っている、という最初の選択かもしれない。実現しないようなものを願わない、ということ。単なる推測として。
先日のトークショーで、最初に参加者に質問して調査したところ、森博嗣を初めて見る人が半分以上いた。つまり、固定のファンだけが来ているのではない。「スカイ・クロラシリーズ」すべてを読んでいる、という人は15%ほどだった。こういうのは素直に嬉しい。まだ新しいファンが増えているわけだし、まだ85%もこのシリーズが売れる可能性があるからだ。書店に自分の本がないのを見ると嬉しい、というのと同じ理由である。
スバル氏を迎えにいったとき、一緒にハンバーガを食べた。夕方は庭の掃除をして、水やりをした。パスカルは走り回った。毎日これを書いている気がする。
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もうこのMLAも終わりに近づいているから、過去に書いたことで、今でも価値がありそうなコンテンツを最近少しずつ再利用している。新しい読者への配慮だ。古いファンの方にも、この「繰り返し」がわりと好評で、「また同じ事を……」というのは、安心感につながるのかもしれないな、と感じた。たとえば、水戸黄門なんか毎回、テーマも台詞もほとんど同じだ。小説の中では、ミステリィが特に画一的で、毎回同じパターンで事件が解決する。
大衆は、少なくとも作者よりはマンネリを好む傾向にある。新しい展開を見せると、絶対に「やめてほしかった」という苦情が殺到するのだ。したがって、繰り返しのようで少し新しく、新しいようで基本的には繰り返し、というふうに微妙な線を狙ったものが長く親しまれるようである。
そもそも「マンネリだな」と感じること自体が、その人がどっぷりその世界に浸かっていない証拠でもある。僕は、機関車では全然マンネリを感じない。しかし、傍から(スバル氏が)見たら「なんで、そんな同じものばかり」と馬鹿げて見えるわけである。離れているから同じように見え、そしてつまらないと感じて離れていく。近くへ寄れば、新しいことが見つかり、ますます離れられなくなる。こんな具合に、二極化していくのか。
今日の写真は、デヴィッド・リンチを意識して撮った(嘘)。