2008年04月04日(金曜日)
【社会】 花の街
スイスやドイツの民家には、窓辺などに花が飾られている。そんな写真や映像を見た人は多いだろう。僕は子供の頃に、この印象がとても強くて、ヨーロッパの人はそんなに花が好きなんだな、と感心した。そういう目で見ていると、イギリスの庭園とか、オランダの水車の周囲とか、異様に花が多いのだ。
ところが、現在の日本を観察すると、もの凄く花が多くなったことに気づく。どこの家にもたいてい花が飾られている。庭にも花がいっぱいだ。桜だって僕が子供の頃よりもずっと増えた(そもそも街の緑は昔の何倍も多い)。本当に花だらけである。ホームセンタにも花がいっぱい売られているし、みんながそれを買って、自分の家の庭や玄関先に飾っているのだ。
これはつまり、かつてのヨーロッパに、今の日本みたいな豊かさが既にあったのだろう。べつに日本人は花が特別に好きなわけではない。お腹も膨れないし、なんの利益も産まないのに、「綺麗だから」という理由だけでそれを飾る。そういう「ゆとり」が生まれたのだ。
昔は緑も少なく、また公害で都市は殺伐としていた。その後、「環境」という言葉が使われるようになり、どんどん綺麗になっていった。濁っていた川の水も綺麗になって、生物が棲める環境になった。一所懸命植えた樹が生長し、都市に大木が増えている。さらにそのあと、「アメニティ」という言葉が使われるようになって、より積極的な快適さを求めるようになった。
僕は数年まえまで花が嫌いだった。自分の庭に花を植えるなんて考えもしなかった。今、それができるのは、多少は生き方にゆとりができたおかげだろうか。それ以外の分析は難しい。