2008年04月15日(火曜日)

【HR】 注射、25周年、そして応募

 今日のメインイベントは、パスカルの注射だ。今回が3度めである。毎年同じ公園に連れていく。近所の犬が集まってくるが、誰もほかの犬など気にしていない。注射が嫌だから尻込みをして、必死に抵抗する犬ばかり。注射が終わった子は尻尾が上がって颯爽としている。見ただけでわかるから面白い。
 しかし、パスカルは注射がそんなに恐くないのか、よくわかっていないのか、ほかの犬が気になってしかたがない。あっという間に注射は終わってしまった。

 帰ってきてから小説の仕事をした。Gシリーズ第7話を書いているが、6000文字書いてしまい、完成度は21%。書きすぎ。「スカイ・イクリプス」のゲラは1/4まで見た。「スカイ・クロラ」のゲームでちょっとした相談を受ける。それから、8月の短編集2冊に収録する作品を、担当のK北氏と打ち合わせて、ほぼ確定した。K城氏も意見を出しているようだが、やはり「ゲームの国」が候補に挙がってきた。でも、僕は否定。代わりに、「卒業文集」や「砂の街」などを推した。今までに書いた短編の中で最も納得がいく作品は「河童」と「砂の街」だ。また、ミステリィとしては「卒業文集」だろうと思う。人の意見は聞かない性格(聞く耳欠乏症)だから、しかたがないなあ……。
 そうそう、講談社から変な本が届いた。25年間分の講談社ノベルスがすべて書影とともにリストになっている本だ(そうか、僕が結婚した年からだ)。「誰が見るんだ、こんなもの」と思ったけれど、まあ、記念品というのは、たいてい「誰が見るんだ?」的である。資料としてはデジタルの方がはるかに価値があるわけで、はっきりいって、印刷する意味はない。まるで、官庁や大学みたいなことをするな、と微笑ましかった。全然悪くない。

 仕事が終わってから、庭で1時間ほど落ち葉掃除をし、それからさらに1時間度ほど雑草取りをした。そのあと水やりを30分くらい。小説の仕事時間よりも明らかに長い。機関車の掃除もできた。

 今日から、「市民講座」の応募期間になった(詳しくは4/1を参照)。昨夜、午前0時を過ぎたら、続々とメールが届き始めた。48時間以内に「受け取った」という返信をするので、それが来ない人は、応募が受け付けられなかったかもしれない。メールアドレスが違っていると返信が届かない(今日は1件だけそれがあった)。こういったものは、もし採用された場合に連絡を取る手段がない事態になるため、必然的に採用を見合わせる可能性が高い。したがって、返信を受け取らなかった人は、メールアドレスを確かめて、再度応募してほしい。

【国語】 表現力とは

 日本語は英語に比べると、誰でも書くことができる、といえるくらい作文が簡単だ。単語の順番を間違えても、だいたい通じてしまう。こんなに沢山の人がテキストを書いてネットで公開しているのも、そのためだろう。また、ある意味で、文学的な文章が特に簡単な言語といえる。英語を文学的に書くことに比べたら、という意味だ。しかし、ものごとを緻密に説明することにかけては、日本語は非常に難しい。文章だけで細かいことを正確に説明するのには向いていない。どうしても、図や写真の補助が必要になる。これもしかし、最近のネット文化を見れば明らかかもしれない。
 文章の表現力というのはどんなものか、というと、一言でいえば、相手がどう受け取るかを想像する力のことだ。語彙が豊富である必要は必ずしもない。何故なら、少ない単語でも、言葉数を尽くせば、誤解を避けることができる。スマートでなくても、最低限、間違いなく伝わる文章は可能だからだ。
 たとえば、ハサミを見たことがない人に、それを文章で説明し、どんな形のもので、どのように使うのか、などを伝えてみよう。フライパンでも良いし、ネジでも良い。誰もが知っている身近なものが良いだろう。説明したことなど一度もないからだ。さて、上手く説明できるだろうか? 絵を描けば簡単に伝わることでも、言葉だけで説明するのはけっこう難しい。実際にやってみないと気づかない難しさである。
 目の前に相手がいるときは、「ほら、ここで、こうしてね、こんなふうになるでしょう?」と身振りを交えて示すことができる。大衆の大多数は、目の前にいる人間だけを相手にする生活なのだ。そういう人が使う言葉は、ほとんど代名詞だけで用をなす。しかしこれでは、本当に日本語を操っているとはいえないだろう。英語でもまったく同じで、ネイティブの人であっても、本当に英語を操れる人はごく少数である。
 目が見えない人に、「透明」を説明してみよう。耳の聞こえない人に、「静けさ」を説明してみよう。

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