2008年03月22日(土曜日)

【理科】 音響

 劇場などの設計をするとき、ステージの音が観客にどう届くのか、ということが問題になる。音響の良い劇場、そうでない劇場、というものがある。これは、身近なところでは教室などでも同じで、教壇の声が聴き取りやすく全員に伝わるために工夫がされている。
 実験室の2階にある部屋を、ゼミ室として使っていたけれど、壁がコンクリートにペンキを塗っただけのものだったので、そこで話をしていると、洞窟の中にいるような、変な感覚だった。音響が専門の先生が、片方の壁の一面にカーテンを設置することを提案され、そのとおりにしたところ良好な環境に一変した。つまり、カーテンによって音を吸収して、反響を減じたわけである。
 劇場では、壁には吸音する板が用いられる。小さな穴が沢山あいているものをよく見かけるだろう。また音を乱反射させるような変な形のものがぶら下がっていたりする。それ以外にも、いろいろなノウハウがあるようだ。コンピュータを用いて、音のシミュレーションを行い、どの座席にどんなふうに音が届くのか、という計算もする。そうした結果を基にデザインが行われている。
 また今日では、構造物は音をすべて吸収し、反響は電子的に作り出すことも可能である。この技術は、今に家庭のオーディオにも普及するだろう。周波数ごとに、反響をコントロールできるようになる。部屋の状態による効果を補正し、劇場で聴いている音が楽しめるわけである。
 ところで、こうなると、はたして劇場は必要なのか、と考えてしまう。そんなこといったら、美術館だっていらないのでは、なんて話になる。そうかもしれないし、いや、無駄なものこそアートだ、とも思う。

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