2008年03月22日(土曜日)

【HR】 師匠のいる幸運

 暖かくて、20℃を越えた。こんなに暖かい3月は珍しいのでは。庭の草木がもの凄い速度で育っている。2日ほど体調が悪かったけれど、今日はだいぶ良くなった。朝からマスクをしているし。振り返ってみると、連日飛行機を飛ばしにいった、その疲れかもしれない。
 「D&D」5回分の推敲をした。「カクレカラクリ」のゲラを90%まで。

 ガラス管を購入するため、ネットで検索をして発注の段取りをしていたのだが、掲示板でガラス管が割れたと書いただけで、佐藤氏から、当方にある10mm径のガラスを切って送りますから長さを知らせて下さい、というメールがあった。ひええ、どうして10mmだとわかったのだろう、とびっくり。工作の途中経過を掲示板にリアルタイムでアップしているので、逐一アドバイスをいただく。それがまた的確なうえ、目から鱗の指摘で、「え、本当ですか? 知らなかった」ということがある。たとえば、工学が専門なのに、銅を軟らかくするためには、鉄の焼き入れのように加熱後急冷した方が良いと初めて知った。鉄とは反対である。これこれこんな不具合があるから、ここをチェックしてみようと思う、と話せば、いや、これこれこういう理由で問題はそこではない、と即座に言われてしまうこともあった。チェックをするには、もの凄い労力がかかるわけで、おかげで、見当違いのところにエネルギィを注がずに済む。

 僕は、子供の頃からずっと、周囲に工作の好きな大人が一人もいなかった。中学には技術課程がなく、大学でも、建築学科なので、機械工作の教育を受けていない。飛行機の関係では30歳を過ぎてから、機関車の関係では45歳くらいから、ようやく仲間と呼べる人に出会った。それまでは、とにかく、すべて本から学んだ知識だけだったのだ(ここ10年ほどはネットから学んでいる)。
 苦労は今となっては楽しい思い出だし、うまくできなかったからこそ、こんなに長続きしているのだとも思うけれど、でも、もうこの歳になったら、そんなに時間はないわけで、ずばり知りたいと思うノウハウは多い。独学も楽しいものだが、師匠がいる状況は幸運だ。同好の人と出会ったのも、すべてインターネットのおかげである。

 今日は、工作室で金属のパーツを作っていた。昨日、体調が悪かったので、久しぶりに小説を読んでいる。今年の1冊めかな。海外の作品。そう、小説ってこんなふうだったよな、と思い出させてくれるような良作。まだ半分だけれど。

【理科】 音響

 劇場などの設計をするとき、ステージの音が観客にどう届くのか、ということが問題になる。音響の良い劇場、そうでない劇場、というものがある。これは、身近なところでは教室などでも同じで、教壇の声が聴き取りやすく全員に伝わるために工夫がされている。
 実験室の2階にある部屋を、ゼミ室として使っていたけれど、壁がコンクリートにペンキを塗っただけのものだったので、そこで話をしていると、洞窟の中にいるような、変な感覚だった。音響が専門の先生が、片方の壁の一面にカーテンを設置することを提案され、そのとおりにしたところ良好な環境に一変した。つまり、カーテンによって音を吸収して、反響を減じたわけである。
 劇場では、壁には吸音する板が用いられる。小さな穴が沢山あいているものをよく見かけるだろう。また音を乱反射させるような変な形のものがぶら下がっていたりする。それ以外にも、いろいろなノウハウがあるようだ。コンピュータを用いて、音のシミュレーションを行い、どの座席にどんなふうに音が届くのか、という計算もする。そうした結果を基にデザインが行われている。
 また今日では、構造物は音をすべて吸収し、反響は電子的に作り出すことも可能である。この技術は、今に家庭のオーディオにも普及するだろう。周波数ごとに、反響をコントロールできるようになる。部屋の状態による効果を補正し、劇場で聴いている音が楽しめるわけである。
 ところで、こうなると、はたして劇場は必要なのか、と考えてしまう。そんなこといったら、美術館だっていらないのでは、なんて話になる。そうかもしれないし、いや、無駄なものこそアートだ、とも思う。

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