2008年03月19日(水曜日)

【HR】 みんなが王様

 天気予報のとおり、午前中は曇、午後から雨。
 小説の仕事を朝方に。「カクレカラクリ」のゲラは60%まで。「D&D」は4月分の5編を書き始める。まずは何を書くかを決めた。これが一番の仕事である。ついでに1編だけ書き上げた。それから、スバル氏とダイエーへ買いものに出かけた。ダイエーはたまに行くのだが、「なんとかの市(これがいろいろある)」にぶつかると、「あぁあ」と残念に思う方だ。人混みが嫌いだから。今日はなにもなくて空いていてグッド。

 午後は、工作室で軽工作をする。昨日、重工作が一段落したため。3時間ほどで完成できる簡単なものを作った。面白かった。夜は機関車をまた少しいじる。雨で庭仕事がない分、時間が多い。
 パスカルは雨の中へ散歩に出かけるため、ラガーシャツを着て、もの凄く不機嫌な顔をしていた。着痩せするタイプだ。

 昨日、車にガソリンを入れたのだが、4月になるまで待てば、数百円得をする可能性があるから、この際、半月くらい乗る車を変えて、今日はミニで出かけようか、とも考えたのだけれど、スバル氏にそれを話したら、「そんな数百円のことで」と鼻で笑われたのでやめた。
 しかし今日、彼女はスーパでハーゲンダッツのアイスを3個も買っているのだ。「どうしてそんなに買うの?」と尋ねたら、「もうすぐ値上げだから」と言う。そんなの数十円のことじゃないか、と思ったけれど、黙っていた。
 このまえも、インテリアショップで見た2万円の時計が気に入ったのだけれど、既に時計はあるわけだから、どうも今ひとつ買う気になれなかった。スイスで1万円で買ったスウォッチをずっと使っていて、つい先日も自分で電池を入れ替えたばかりだ。電池がなかなか手に入らなかったので、スバル氏から「この際だから新しいのを買いなよ」と言われたが、もったいないと思う。鞄も毎日使っているものは、もう10年くらい使い続けていて、すり切れて変色しているほどだ。でも、便利だし。
 つまり、生活の役に立つものには、お金をかけることを渋るのが、僕の特徴らしい。生活の役に立たないものになると、いくらつぎ込んでも抵抗を感じない。「生きることに関係がないのに欲しい」という純粋さを、自分で勝手に評価しているのである。そんな気がする。
 しかし、だんだん世の中、そういうものが増えているのだ。音楽も映画もファッションも、生きること(生命活動)には直接関係がない。生きることから、どんどん遠ざかっているといっても良い。みんなが王様になったみたいだ。

 明日も雨らしい。こうしてみると、良いときに飛行機で遊んだ。
「言っていることと行動が一致しない?」「一致する人間っているの?」と外と内の声。王様って、そういうタイプでは?

【社会】 チャップリンと綿菓子

 有栖川です。三日目も私が好きな社会の特別講義をいたします。
 昨日は地理だったので、今日は歴史について。いきなりですが、まず答えていただきましょう。
 設問・次の××××に適当な文字を入れよ。
 七九四(なくよ)××××平安京
 真剣に「ウグイス!」と答えた方、すみません。これは私が好きなギャグでした。
 ある事件が西暦何年か答えよ、という問題はあまりにもチープなので、実際のテストではそう出題されないようです。しかし、歴史では事件の前後関係を認識しているかどうか試す問題が頻出しますから、キーになる年号は覚えておくに越したことはありません。
 記憶術の第一人者に渡辺剛彰という先生がいました(故人)。私は高校時代にこの先生の本を読み、年号がすらすら暗記できるようになったのです。小文をお読みの方の中にも、同じ本を使った人がいるかもしれません。
 効きますよ。今でも「俺、なんでこんな年号をまだ覚えてるねん」と思いますから。たとえば、徳川家康が一里塚築造の指令を発したのは一六〇四年です。ほら、つまらないことを記憶に留めているでしょ。
 渡辺式記憶術では、「チャップリンが一里塚で綿菓子を作った」と覚えます。どういうことか、ご説明しましょう。チャップリンは「チ」で始まります。これは五十音で十七番目なので、十七世紀=一六〇〇年代を表します。「綿菓子」の「わ・た」は、ワ行とタ行の音なので、五十音表の十行目と四行目。だから〇と四を表す。一六〇〇と合体させると、一六〇四という数字ができあがり、それは何かというと「一里塚」に関係している。よって「一六〇四年、一里塚設置」となるわけです。
 「そんなことで覚えられるか?」と思われるかもしれませんが、すぐに慣れます。そして、手法さえマスターすれば、いくらでも類例が作れます。何世紀かを示す記号をお気に入りのキャラクターにすると愉快。たとえば、「犀川創平が屈辱を受けてママに泣きついた(メモを取り上げられて屈辱を味わった、などでも可)=一〇七七年カノッサの屈辱。その際、「えー、あの犀川先生が!」という奇抜なイメージの方がいい。
 歴史の本質とは関係のない話になってしまいましたが、皆さんのお役に立ったり、話のタネになったりしたなら幸いです。
 ところで、どうしょう。あなたの頭にチャップリンが登場するシュールな光景が刷り込まれたのではありませんか? 私のチャップリンは、もう三十年近く一里塚で綿菓子を作り続けています。

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