2008年02月26日(火曜日)
【HR】 奇跡的に良い時期に
スバル氏が美容院へ行く日なので、雪が降りだした。やがて雨になるものの、非常に寒かった。
留守番の間に映画を見た。よしもとばなな氏が送ってくれたDVDだ。良かった。素晴らしい芸術に接すると、自分の刃が研がれる気分になれる(明らかに錯覚だが)。映画監督で世界で1人といわれたらこの人、という監督の新作である。それが誰かはここには書かないけれど、かつて映画関係のエッセィで1度だけ書いたことがあるので、わかる人にはわかるはず。
映画といえば、「スカイ・クロラ」の公開日が発表になった。8月2日だから、あとだいたい5カ月後だ。結局、最初の予定どおりになった。これから、どんどん露出してくるのだろう。キャラの絵などは、もう1年以上まえから見せてもらっていたわけだし、今回発表になったトレーラの声の主も聞いているし、ほかにも知っていても言えないことが沢山あって、不自由な状態が長かったけれど、だんだん肩の荷が降りていく。もう1カ月か2カ月の辛抱だ。それにしても、けっこう秘密のまま進められるものだな、と感心するしだい。
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ネットの信憑性について少しだけ書こう。マスコミなどがときどきネットを参考にして資料を作るようだ。市場を調査するには、こんなに便利なものはない。けれども、ある特定のものについて調べるとき、これほど間違いの多い情報ソースもほかにない。誰が書いたのかわからない、出典もわからないものがどんどんコピィされ、あっという間に多数になってしまう。この世界に長くいる人間ならば、いかにガセが多いかを知っているから問題はないにしても、新しくここへ来た人は充分に気をつけた方が良い。
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「銀河不動産〜」のゲラを最後まで見た。イラストを1枚仕上げた。秘密プロジェクトも数時間かけてかなり進捗。「θ」文庫で小さなチェックあり。「MLA9」2校の結果を電話で伝えて校了。「クレィドゥ〜」文庫2校が到着。「どきどきフェノメノン」文庫の初校が少し遅れる見込みと連絡あり。「工学部・水柿助教授の解脱」単行本のゲラももうすぐだ。短編の執筆はまだできず。
このところ、文庫の重版が重なっている。特に、「φ」が大量重版で、これは過去に例がない早さだった。いよいよ総発行部数が1000万部に近づきつつある。今年秋頃と予想してきたが、たぶん、夏くらいで越えることになりそう。内訳としては、50%が文庫、40%がノベルス、10%がハードカバーという比率にだいたいなる。まさかここまで来るとは予想していなかった。小説執筆終了までにあと200万部くらいは伸びるだろうか。最終的には1300万部くらいには届くかもしれない(控えめな数字で)。
本当に奇跡的に良い時期にこの仕事をしたと思う。作家が儲かるなんて認識していなかったし、だいいち、日本で今どんな作家が売れているのかさえ全然知らなかった。ほんの少しのバイトのつもりで始めたことだったけれど、ある意味、その無心さが良かったのだろうか、などと勝手な分析をしている(運が良かったなんていうのは、分析にはならないから)。
これからは、出版におけるヒットはさらに小規模になるだろうし、出版というビジネス自体が縮小されていくだろう。今から作家になっても、儲かる確率が下がっている。ただ、「儲けなくても良い」というのであれば、自分でネット配信するなど、世間の注目を集めることは以前よりは簡単になった。ビジネスとして成り立ちにくい、というだけだ。もちろん、やめておきなさい、なんて余計なお世話は言わない。