2008年02月25日(月曜日)
【算数】 確率と履歴
たとえば、1/10の確率で当たりが出るくじがあったとする。Aさんは、このくじを引いて当たりを出した。Bさんも、このくじを引いたが、はずれだった。くじは引くごとに元に戻すため、確率はいつも1/10である。さて、2人が再度チャレンジした場合、AさんとBさんのどちらが、当たりくじを引く確率が高いだろうか?
もちろん、これはAさんもBさんも同じである。確率は誰が引こうが、何回引こうが、いつも同じ、1/10だ。
ところが、こう考える人は多いはずだ。10回に1度しか当たらない。それが「1/10の確率」の意味である。だから、既に当たりくじを引いたAさんは、あと9回は当たらないはずだし、Bさんは、これから当たりを引く可能性がまだ残っているので、今度はBさんの方が当たる確率が高い、と。
この考え方は、実は世の中にかなり蔓延っている。たとえば、「1度失敗したら、もう大丈夫だ」なんて言う人がいる。あるいは、「幸運を使い切ってしまった」という言葉も耳にする。しかし、将来の確率に、これまでの履歴が影響するかどうかは、履歴によって変化する事象でないかぎり、ありえないのである。
当たりくじがまだ残っていて、しかも引いたくじを戻さないシステムであれば、はずれを引くたびに、次の確率は上がる。これが「履歴によって変化する事象」である。しかし、たとえば、宝くじのように、全部が配布されてから当たりが発表されるものは、次回はまたリセットされるわけで、いくらこれまではずれが多かったからといって、当たる確率が高くなることはない。
逆に、過去に当たったものに対して、「ついている」「つきがある」という理由で、確率が高くなるように言う人も多い。「この場所では過去に当たりくじが出ている」とか、「つきがあるうちに勝負した方が良い」といったものである。根拠はまったくない。
当たり前のことを書いたが、当たり前のことを書いた方が反響があるので、首を傾げつつ。