2008年02月10日(日曜日)
【社会】 あらゆるものの価値は下がる
「価値」という言葉は、人間の労力や時間の量を示すものだと考えて良いだろう。つまり、物理の仕事量に近い。品物にも価値があるし、権利や立場、あるいは名前や名誉みたいなものにも価値がある。一番これが数字になって比較しやすいのが「お金」である(「お」をつけたのは、ゴールドと区別するため)。
仕事をすると、その報酬として、なんらかの価値が手に入る。すぐに品物に替えてしまっても良いし、また将来のためにその価値を蓄えることもできる。しかし、貯金をすると、利息はつくものの、しだいにお金の価値は下がってくるのが普通だ。これは、仕事をしたという価値が、時間とともに薄れてくる、と考えれば良い。たとえば、「たった今これをやりました」と「昨年これをやりました」では、同じ仕事量であっても価値が違う。また、時間が経過するほど(経験や機械化によって)簡単にその仕事ができるようになるかもしれないので、古い仕事量の価値は相対的に下がる。品物も古くなると価値が下がるが、これと同じだ。借金をすれば、多めにして返さなければならないのも、(リスクが伴うことと)お金の価値が次第に下がるからだ。こうしてみると、インフレというのは、わりと自然な現象に見える。
だから、若くして大金を手にしたときも、基本的に稼いだその価値は時間とともに低下する。将来に向けて価値を落とさずに持ち続ける「労力」や「リスク」をかければ、価値を下げないことも可能だが、なんの苦労もなく価値を保持することはできない。
お金も品物も(あるいは土地も)どんなものも、時間とともに価値が下がる、と考えるのが自然である。その理由は何か、といえば、それは人間が生産を続けているからだ。新たな価値をどんどん生み出しているためである。
念のために書いておくが、以上のように僕は「想像」している。
お金を長く持っていると価値が下がる、と不安がる人がいるが、当たり前のことであり、損をしているわけではない。そんなことよりも、なにもしないとどんどん落ちていく「自分の価値」を気にした方が賢明である。