2008年02月25日(月曜日)

【HR】 レモンケーキ疑惑

 体調もかなり良くなってきた。今日は、朝からスバル氏と出かける予定だった。
 デパートへ行き、そこで例のごとく別れて、僕はハンズへ。塗料や接着剤を沢山購入。あと金属材料も持てるだけ買った。今まで使ったことがない接着剤を3つ購入したが、ときどきこういったチャレンジをしている。使い慣れたもので充分なのだけれど、材料自体が時代とともに変わっていて、特に、プラスティック関係で、過去に使わなかったものが出回ったりするので、たまに接着剤も変えて、確かめるわけである。新しい製品の特徴といえば、とにかく匂わないものが増えたことか。僕としては、匂わないものの方が恐いが。

 井上氏から荷物が届いた。先日、古い機関車を送ったからだ。井上氏は、子供の頃にそれを買ってもらったという。70年もまえの話である。そのおもちゃがすべてのきっかけだったとのこと。だとしたら、日本中の模型ファンが井上氏から受けた多大な恩恵のルーツともいえる。今回お送りしたセットをリストアしてもう一度走らせるつもりだ、と手紙に意気込みを書かれてきた。
 さて、そのお返しが凄かった。昨年、天賞堂でレトロな機関車を偶然手に入れたのだが、それにぴったり似合う客車が2両送られてきたのだ。スタンダードゲージという大変珍しいモデルで、1番ゲージより幅が少し広い。どう見ても、僕が送ったものよりも、もらったものの方が立派なので、スバル氏が「わらしべ長者だね」とおっしゃった。このほかにもう1両、ライブスチームの機関車もいただいてしまった。とても嬉しい。

 話は変わって、僕がレモンケーキのことをここに書いたせいで、それに関するメールが近頃非常に多い。大勢の人が、森博嗣のことだからグラマシーニューヨークだろう、と見当をつけて、レモンケーキを買って食べた、と書いてきた。これは間違いなのだが、しかし、そのレモンケーキの方が美味しい可能性もあるので、単純には否定はできない。今日、グラマシーニューヨークへ寄って、レモンケーキを見てきた。しかし、それよりもっと美味しそうなオレンジのケーキがすぐ隣にあったので、そちらを買ってしまった。帰宅後食べたが、充分に美味しい部類だけれど、普通だ。僕はこれくらいで人に送ったりはしない。例のレモンケーキの方が美味しい。
 そういうわけで、秘密にしているのも方々に迷惑がかかりそうな雲行きなので、珍しく書いておくが、まず「レモンケーキ」という名称ではなかった。これはスバル氏に「いいかげんに覚えなさいよ」と今日も叱られたが、「クレープレモン」という名前らしい。セットではなく、1個ずつでも買える。それから、お店はハーブスというところで、この店はこのケーキ以外は、普通だ。お店としては、グラマシーニューヨークの方が「当たり」が(特に生クリーム系で)多いと僕は思う。
 でも、グラマシーで今日、そのオレンジのケーキを1箱買ったとき、同じ値段でレモンケーキのセットもあったから、「こちらと半分ずつにできませんか?」と尋ねたら、断られてしまった。単体売りしていないのだ。あとで僕が「けちだね」とスバル氏にこぼしたら、「森博嗣の方がけちだと思う」と彼女は言った。正しい。
 そういうわけで、グラマシーのレモンケーキは食べていないから、最初の「そっちの方が美味しい」という可能性は依然否定されていない。レモンケーキ疑惑はますます混迷を深めたかに見える。

 「銀河不動産〜」のゲラは7/8まで。イラストの仕事が1つあって、下描きだけした。ペン入れは明日。極秘プロジェクトも進めている(どうして極秘なのにここに書くのかというと、このブログには、関係者に仕事の進捗状況を知らせる目的があるためだ)。

【算数】 確率と履歴

 たとえば、1/10の確率で当たりが出るくじがあったとする。Aさんは、このくじを引いて当たりを出した。Bさんも、このくじを引いたが、はずれだった。くじは引くごとに元に戻すため、確率はいつも1/10である。さて、2人が再度チャレンジした場合、AさんとBさんのどちらが、当たりくじを引く確率が高いだろうか?
 もちろん、これはAさんもBさんも同じである。確率は誰が引こうが、何回引こうが、いつも同じ、1/10だ。
 ところが、こう考える人は多いはずだ。10回に1度しか当たらない。それが「1/10の確率」の意味である。だから、既に当たりくじを引いたAさんは、あと9回は当たらないはずだし、Bさんは、これから当たりを引く可能性がまだ残っているので、今度はBさんの方が当たる確率が高い、と。
 この考え方は、実は世の中にかなり蔓延っている。たとえば、「1度失敗したら、もう大丈夫だ」なんて言う人がいる。あるいは、「幸運を使い切ってしまった」という言葉も耳にする。しかし、将来の確率に、これまでの履歴が影響するかどうかは、履歴によって変化する事象でないかぎり、ありえないのである。
 当たりくじがまだ残っていて、しかも引いたくじを戻さないシステムであれば、はずれを引くたびに、次の確率は上がる。これが「履歴によって変化する事象」である。しかし、たとえば、宝くじのように、全部が配布されてから当たりが発表されるものは、次回はまたリセットされるわけで、いくらこれまではずれが多かったからといって、当たる確率が高くなることはない。
 逆に、過去に当たったものに対して、「ついている」「つきがある」という理由で、確率が高くなるように言う人も多い。「この場所では過去に当たりくじが出ている」とか、「つきがあるうちに勝負した方が良い」といったものである。根拠はまったくない。
 当たり前のことを書いたが、当たり前のことを書いた方が反響があるので、首を傾げつつ。

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