2008年01月24日(木曜日)

【算数】 応用力

 小学校の科目で算数が特異な理由は、答が教科書に書かれていないことにある。つまり、先生から教えてもらえるものが、「答」ではなく、単なる「やり方」に過ぎない、という点だ。他の科目は、テストのときに教科書を見ることができれば(つまりカンニングだが)問題に答えられる場合がほとんどだ。しかし、算数の場合には、計算ならばたまたま同じ式を発見できるかもしれないが、応用問題になると、ほとんど同じものは見つからない。
 国語の問題で、「文中の『それ』は何を示しているか?」とあれば、その答は文中にある。教科書にないもの、そこにないものが求められることはまずない。算数ができない子供の多くは、教えてもらっていないものを、何故答えることができるのか、と考えているだろう。
 このことは、新入社員にもいえる。「そんな対処のしかたは教えてもらっていない」という新入社員に、「そんなことくらい、考えたらわかるだろう」と腹を立てる上司。これは、算数の問題における「難しさ」に類似している。
 一般に、これを「応用力」と呼ぶようだ。
 たとえば、細かく書かれた室内のイラストがあって、そこに矢印で示されているものがある。それに対して、「電話でその場所とものを伝えよ」「目の見えない人にそれを説明せよ」という文章題が出されれば、国語でも応用力が問える。選択肢があって、そこから選ぶのでは意味がない。この問題を採点するには、教育者が読解力を持っていなければならない。
 解答合わせが楽なように選択問題になった時点で、数学と物理以外では応用力を問うことが非常に困難になった、ともいえる。しかし、既存の情報から選択することは機械でもできる。人間に求められている能力とは、想定外のときに、これまでの経験をどう応用できるか、ではないだろうか。

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