2008年01月19日(土曜日)
【国語】 「その」と「あの」
「見かけない人を見たら、その人は誰?と声をかけ合いましょう」という標語を街で見かけた。これは、たぶん「あの人」の間違いだと思う。英語だったら、「その」なのだが、日本語ではおかしい。
「その」と「あの」あるいは、「そこ」と「あそこ」は、どう違うのか?
子供のとき、自分に近いものは「この」「ここ」であり、少し離れていれば「その」「そこ」であり、ずっと遠くだったら「あの」「あそこ」を使う、と習った。しかし、これは正確ではない。
たとえば、電話をしているとき、相手のすぐ近くにあるものは、「それ」である。自分からはるかに遠いところにあっても、「あれ」ではない。
上の標語の例では、怪しい人が、お隣の人と話をしているとき、少し離れたところから、お隣の人に「その人は誰?」と尋ねたイメージになる。その2人のところまで自分が近づくと、「この人」になる。いずれにしても、お隣の人と怪しい人は距離的に近い。「あの人」になるには、話している相手から対象が遠くなければならない。
自分が名古屋にいて、東京にいる相手と電話をしているとき、名古屋は「ここ」であり、東京は「そこ」である。静岡の話をすると、「あそこ」になる。この場合、「そこ」よりも「あそこ」の方が距離的に近い。
自分と相手が川の両側にいれば、「こちら」と「そちら」しかない。相手も自分と同じ側にいれば、「こちら」と「あちら」しかない。