2008年01月25日(金曜日)

【HR】 しゃかりきになる暇

 朝は氷が張っていたらしい(スバル氏談)。パスカルが喜びすぎ。本当に寒いのが好きみたいだ。遊んでくれ遊んでくれと煩い。「いないいないばあ」をしてほしいのだ。ボール遊びをしてほしいのだ。庭を疾走してみせる。一人で遊べば良いのだが、それはできないらしい。人間の子供にも、一人で遊べる子と、そうでない子がいる。
 スバル氏はもともと寒いのが苦手な人だが、毎朝パスカルの散歩に出かけていく。僕が起きる頃には、もう帰ってきたあとだ。「パスカルは寒いと元気だね」と言うと、「パッチィのために軽井沢へ引っ越そうか」なんておっしゃっていた。都会にしか住みたくない、なんて日頃言っているのに、信じられない発言である。

 執筆が終わったので、今日はゲラ校正のみ。「クレィドゥ〜」のゲラは一気に最後まで見た。それから、yorimoに掲載の「スカイ・イクリプス」第5話のゲラも確認。次の執筆はFM東京の音楽エッセィ。もう3回まで公開されているが、5〜8回分を明日から書く予定。
 ネタばれを書く。作者が書くものは、いかなるものもネタばれではない、というのが持論であるが、この場合は文庫の解説なので、僕の文章ではない。私だけ……、萩尾望都先生のところにあるのは、「困った炊飯器」ではなくて、「生真面目なブレーカ」だと思う。
 今日も3時間ほど、キットを組み立てていた。大半の時間はヤスリをかけている。面白いが、少し厭きてきた。別の工作を始めようと思う(というか、工作は既に10以上同時進行しているのだが)。

 売れっ子スターとか、大儲けした実業家とか、たいていは「忙しくて遊ぶ暇もない」と言うけれど、大衆はそれを本気にして、「そうか、そんなに忙しいなんて可哀相だな。自分はあそこまで金のために働きたくはないよ」と我が身と比較して安心する。このように安心させた方が、不当な反感を買わずにすむ、という自己防衛で「忙しい」と言っておくのだろう。
 考えてみればわかるが、金を儲ける目的は、好きなことをするためだ。その目的を見失う人間はいない。したがって、たいていの金持ちは好きなことをしている。金があれば嫌なことはしないでも良くなる確率が高くなるのは事実だ。だから、まちがいなく、みんな好き勝手をして遊んでいるはずである。稀に本当に忙しい金持ちもいるけれど、その場合は、それがその人にとっての「遊び」なのだ。

 えっと、ところで、僕は、全然忙しくない(笑)。毎日遊びほうけている。遊ぶことにすっかり時間を取られ、仕事をする暇も、お金を使う暇も、健康に生きる暇もない。あれ? やっぱり、これ、忙しいっていうのかな……。では、こう言ってみてはどうか。「のんびりすることに忙しくて、しゃかりきになる暇がありません」
 まあ、ブレーカって普通、融通が利かない堅物なんだけどね。

【理科】 壊れ方のデザイン

 すべての箇所を合理的に作り、つまり全体として最適な強さのバランスにデザインすることは、必ずしも正しくない。むしろ、通常はわざとバランスを崩し、弱い部分を設定しておくものだ。
 いろいろなレベルのものがある。少々方向性が違うが、たとえば、ヒューズは大電流が流れた場合に、その弱い部分で断線するようになっている。蒸気のボイラにも、水がなくなり空焚きになったときに溶けて穴が開く箇所が作られている。自動車は衝突した場合に歪む部分が考えられている。建物は柱よりも梁がさきに折れるようにわざと弱く作られる。河川の堤防も、どこも同じ高さではなく、さきに水が流れ出る場所が設定されている。バランス良く軍隊を配置するより、弱い部分を作っておけば、敵はそこから攻めてくる、とおおかた予測できる。相手が人間ではなく、自然現象であれば、裏をかかれることはない。
 壊れないことがまず大切であるけれど、万が一壊れるときには、どこがどう壊れるのか、どの順で崩壊するのか、ということが予測できることが「安全」である、という考え方だ。被害を最小限に食い止めるという意味で、古くから工学の基礎的な思想となっている。
 人間の場合にもこれがある。躰のどこかに弱い部分があって、具合が悪くなると必ずそこに不調が出る。また、組織においてもこれがある。不況になったり、トラブルがあったときに、問題が出やすい部分が必ずある。
 一部を壊すことで、そこがクッションとなり、全体へのダメージを和らげる効果もある。したがって、弱い部分だからといって、そこを補強すると、たしかに強度は上がるものの、どこから壊れるのかわからなくなってしまううえ、壊れ方も爆発的で一気に全体に及ぶような危険なものになる。

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