2007年12月25日(火曜日)

【理科】 タイムマシンは可能か?

 もうとっくに書いたと思っていたが、MLAではまだだった。
 大学で力学を教えていたとき、学生から幾度か「タイムマシンは実現が可能でしょうか?」という質問を受けた。そのときは、「タイムマシンとは何だ?」と問い返すことにしていた。いったい、どんな機能をもったマシンなのか、定義をしてもらわないと答えられない。単なる時計だって、タイムマシンだ。
 タイムトラベルは可能か? といった文章によく出会う。読んでみると、アインシュタインの相対性理論が出てくる。未来へ行くのは簡単だ。時間はどこでも同じではないから、進み方の差が生じる。いわゆる「浦島効果」だ。しかし、時間を遡ることは無理である。
 光速を超えて移動すれば昔の星の光が見える、といったことが書かれているものも多い。でもそれは「過去を観察した」ことにはなっても、「過去へ行った」ことにはならないだろう。観察するだけのことを「旅行」とは言わないはずである。過去へ行き、そこで物体に干渉できなければ、タイムトラベルではない。見るだけなら単なるVTRではないか。
 過去へ旅行し、過去の歴史に干渉すれば、現代が変わってしまう、というパラドクスもよく知られている。それによって生じるパラレルワールドの話も周知のところだろう。
 時間を超えた旅行をすることは、まったく完全に絶対に不可能と言い切れない。ただ、それにかかるエネルギィは尋常ではないほどもの凄いものになるだろうし、さらに、そんなもの凄いエネルギィを費やす移動によって生じる爆発的な加速度に人間や周囲の環境が耐えられるとも思えない。月へ行くのとはわけが違う。1人の人間が生きているうちに宇宙の果てまで旅行することが可能か、というのと同じくらい困難な問題だと思われる。結局、まあ、簡単に言えば、過去も未来も「身近」ではないことは確かだ。

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