2007年12月19日(水曜日)
【理科】 小説家の生態
西尾維新です。
前回、面白い小説を書けなくとも小説家にはなれる(面白い小説を書いたところで小説家になれるとは限らない)という話で締めましたが、しかしせっかく書く以上は面白い小説を書きたいものです。では、面白い小説を書くためにはどうすればよいのでしょう。これはもう、平凡極まりない答ですが、時間をかけるしかありません。
しかし、時間をかけると言っても、日時歳月をかけるということではありません。もっと短期的な視点で、1日24時間のうち、どれくらいの割合を、小説のことを考えるため、また小説を書くために割けるかということです。
小説を書くための時間、これは1日あたり3時間〜4時間も割ければ上等です。なぜなら、書いているとき、つまりはパソコンに向かって打鍵しているときというのは基本的にアウトプットの状態であり、真に創造的な時間ではないからです。強いて付け加えるなら、このアウトプットの作業は午前中に行うのが効率的だということくらいでしょうか。創作活動は夜中に行うべきだとする説が強いですが、どうでしょう、大抵のことは面白くなる夜中のテンションでの執筆は、筆が滑りそうなので個人的には怖いです。また、1日の最後に作業を残して置くのも精神的によくありません。それよりも、やるべきことは早めに済ませて、すっきりした気分で1日に臨むほうがよいように思われます。まあ夏休みの宿題みたいなものですね。
そして、午前中の作業を終え、すっきりした気分で、1日の残り時間を小説のことを考えるための時間に当てれば完璧です。考えることは何をしながらでもできますから、理想的には午前中の作業中も、睡眠時間も、このために当てたいところです。まあ現実問題、人間には生活というものがありますから、そうそう24時間は割けないでしょうけれども、しかし残りの、小説のことを考えない時間は、考えたことを熟成させるための時間であると心得てください。
1日中仕事のことを考えるなんてぞっとしませんか? いえ、上に述べたようなことは、厳密には小説家にとって仕事ではありません。では小説家にとっての仕事とは?
明日はそのあたりを。