2007年12月17日(月曜日)
【図工】 小説工作
みなさん、こんにちは。本日より5日間、特別講師を担当させていただく西尾維新です。以前よりこの教壇に立つ日を夢見ていましたので、こうしてその夢が実現し、とても嬉しく、また光栄に思います。
とは言え、僕はまだまだ若輩者であり、人に何かを教えられるほどの人生経験を積んできてはおりません。そこで今回の特別講義では、僕の職業であるところの『小説家』について、語ることにしようかと思います。将来的に小説家になりたいというかたはもちろん、そうでないかたにも楽しんでいただけるような授業になるよう、頑張らせてもらいます。
では始めましょう。
1時間目はプレゼンも兼ねてということで、【図工】です。小説、あるいは小説家について語るならば、それは【国語】であるべきではないのかと思われるかもしれませんが、僕の考えでは、【国語】【算数】【理科】【社会】【体育】【音楽】【図工】の中では、【図工】にこそ、小説の執筆という作業は含まれるものです。それどころか、最近では【国語】こそ小説の執筆からもっとも遠い科目ではないのかとさえ思いますが……ここではとりあえず【図工】の話をしましょう。
森先生の工作趣味は今や周知の事実ですが、先生の小説家としての高い能力はその工作趣味にこそ裏付けされているものだと僕は考えます。『作家』とはよく言ったもので、小説家とは、職人または芸術家としての側面をどうしても持たざるを得ません。では、一本の小説を工作(創作)する上で最低限必要なものは何でしょう。それはまず第一に語彙です。と言うか、語彙がなければ文字通り話になりません。逆に言えば、語彙さえあれば小説を作ることは可能です。語彙という材料を感性という工具で組み立てること。それが小説工作です。
語彙の増やしかたについては、まあ国語辞典の通読が一番手っ取り早いですが、単純に読書量を増やすほうが身に付きやすいようです。
もっとも、小説を書けることと小説家になることは、まったく別の話です。確実に小説家になれる方法は、まず存在しません。
明日はそのあたりを。