2007年08月21日(火曜日)

【理科】 マッハ

 音速については、2005年10/30に書いた。また、同年12/10には、飛行機のプロペラの先が簡単に音速に達する話を書いた。音速は1秒間に340mほど進む速さで、時速に直すと1200km/hくらいである。新幹線の4倍くらいだし、旅客機の巡航速度よりは速い。
 音は空気の振動が伝わる現象だ。振動するのは、空気がバネのように伸び縮みするからであるが、この場合の伸び縮みとは、つまり体積が膨張したり収縮したり、という意味。この性質は、風船を膨らませると体感できる。
 バネを直列に沢山つなげて、その片方の端をちょっと押してみる。すると、端のバネが縮み、それが伸びようと反発すると、その次のバネを押す、というようにつぎつぎと伸び縮みが伝わっていく。これが弾性波と呼ばれるもの。あらゆる物体は力を受けると変形し、それに応じてバネのように反発する。固体の場合は、形を保持しようとするバネと、体積を保持しようとするバネがあって、そのいずれもで弾性波が伝わる。地震にP波とS波の2種類があって、伝わる速度が異なるのは、この2種類のバネのためだ。また、液体と気体では、体積を保持しようとするバネだけが働く。形を保持するバネはない。
 マッハ2というのは、音速の倍の速度のことで、今日のジェット戦闘機などには音速の何倍も速く飛ぶものがある。音速を超えると、空気に圧縮が伝わるよりも速く前進することになる。たとえば、マッハを超えて近づいてくる飛行機からは、音が聞こえない。音が聞こえたときには既に到着している。
 簡単にいうと、飛行機の前にある空気に、縮む余裕を与えないことになるわけで、空気が固くなってしまったように振る舞うため、衝撃波と呼ばれる波の壁のようなものが生じる。この対策として、マッハを超える飛行機の主翼は斜め後ろへ向かって伸びている。低速ではグライダのように主翼は真横に出ている方が効率が高いが、高速になると後退翼が必要になる。だから、映画「トップガン」に出てきたトムキャットのように、飛行中に主翼を後方へずらす飛行機もある。
 空気があるからこのようなことが起こる。宇宙ではこういった心配はない。宇宙船はどんな形でも良く、マッハ100でも軽く出せる。
 ちなみに、「非常に」の意味で「マッハ」を使う人がいる。「超凄い!」と同じように「マッハ凄い!」などと言う。「超音速」は「スーパ・ソニック」だから、「スーパ」と同じ意味で「マッハ」を捉えているのだとしたら、誤解である。

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