2007年01月20日(土曜日)

【理科】 アーチ

 橋などで、柱と柱の間が、真っ直ぐの桁ではなく半円形になっているものを、アーチという。アーチは、2次元の形状に使われる用語で、アーチが奥へずっと続くトンネルのような半円筒形をボールトというし、3次元の曲面になるとドームと呼ばれることが多い。
 西洋の古い教会などは、天井がドームだし、通路の天井はボールト、窓の上の部分はアーチの形状になっている。これらは、すべて意匠的なデザインからそうなっているのではなく、力学的にこうする以外になかったから、この形になったものだ。
 西洋に多く、日本古来の建築にはほとんどアーチが現れないのは何故か。それは、西洋の建築が石造であり、日本の建築が木造だからだ。石材は圧縮に比較して、引張に弱い。また、石を積み上げる構造も引張や曲げに耐えられない。石積みでは大きな平面の天井が作れないのである。
 天井や屋根だけを木造にすれば良いが(事実、そういったものは多い)、良質で大きな樹木の不足、あるいは耐久性の問題があった。もっとも、アーチやドームを組み立てるときには、木造の仮の型を使い、その上で石を組み上げた。だから、工事のときには木の構造が必要だった。
 半円形といったが、実は円ではない。紐や鎖を両手に持って中央を垂らしたときの形、これが「懸垂(けんすい)曲線」と呼ばれるもので、アーチは基本的にはこの形をしている。同様に、濡れた布の端を支え、中央が垂れる形にすると、これがドームになる。垂れ下がった紐や布には引張応力しか作用していないが、これを上下ひっくり返せば、圧縮しか作用しない形になる、という理屈である。

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