2006年11月18日(土曜日)
【国語】 挙動
「挙動」という言葉を、理系の多くの分野では、物体に対して用いる。英語はbehaviorだ。たとえば、これこれの条件における鉄の挙動を調べる、というように。風の挙動、空気の挙動、水の挙動、光の挙動など、いずれも自然だ。しかし、小説にこれを書くと、必ず校閲から「変です」と指摘される。
物体の性質によく用いられる言葉として、「影響」や「効果」がある。繰返し応力を受ける鉄の挙動に与える温度の影響、あるいは、鉄の挙動に関する温度の効果、などのように用いる。また、逆に、影響を受けるような場合には、それを「依存」といったりする。鉄の挙動は温度に依存している、というように。こういったものも、一般的な語感とは少しずれているだろうか。
そもそも、文章で物体が主語になりやすい。力で鉄を変形させる、とは滅多にいわない。力によって鉄が変形する、という。論文では、「私は実験を行った」とは書かない。「実験を行った」とだけ書く。特に英語にするときには、「実験が行われた」と書く。「鉄の挙動が調べられた」と書く。
古くは、挙動ではなく、「ふるまい」と書くこともあったし、動詞で、「高温時に鉄がどうふるまうのかを確かめる」などとも普通に使う。
僕の場合、人間に対して「挙動」や「ふるまい」を使う機会は、まずない。
過去のMLAを「挙動」で検索したところ、10/12の【理科】「壊れ方」と、昨年11/11にエクスプローラの「挙動不審」に使っていた。