2006年11月13日(月曜日)

【社会】 書店のシステム

 何度か書いていることだが、知らない人がまだ多いようなので、【社会】で取り上げる。
 日本の場合、書店は、売れなかった本を返品することができる。つまり、書店は、本を置く場所を提供しているだけで、自分で仕入れて売っているわけではない。どんな本でも取り寄せて店に並べることができ、売れなければ引き取ってもらえる。こういった商売は珍しい。普通は自分で仕入れたものが売れなければ小売りは損をするから、何が売れるのかをよく考え、売れる工夫をする。書店にはその努力の必要がない。
 欲しい本が書店にないことは非常に多い。日本で発行される本のうち99%以上は、日本の書店の数よりも発行部数が少ないので、当然ながら全店には行きわたらない。そこで、「取り寄せてほしい」と客が注文すると、書店は問屋(取次ぎ)や出版社にそれを発注する。しかし、こうして発注したものが万が一売れなくても、やはり返品ができるので、問屋や出版社にしてみると、注文があったからといって、すぐには本を送らない。本当に売れるかどうかわからないからだ。もっと確実に売れる店に優先的に商品を回した方が良い、と判断する。
 そこで、書店の方も、5冊欲しいときは10冊発注する、という水増しをする。問屋や出版社は、10冊オーダがきたら、5冊ほど出す、というように対応している。オーバに書いたが、だいたいこんなシステムである。
 書店に本を注文しても、ちっとも入らない、という経験をした人は多いだろう。書店の人も困っている。オーダを受けたのに入荷しないことが日常茶飯事で、他店で購入してきて、それを注文者に渡すこともあると聞く。確実にいつ入る、と書店は言えないのである。すべて、このクレージィなシステムのせいだ。 
 ネット書店が登場したおかげで、欲しい本をどうしても入手したいという一部の人の不満は、ある程度解消されているようだ。だが、システムの根本的な問題が消えたわけではない。

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