2006年06月01日(木曜日)

【HR】 使わないと損?

 今日も晴天。夏っぽくなってきた。冬は日が当たらなかった場所が今は明るい。太陽へ地球が傾いている。それでも、クーラが必要なほど暑いわけではない。風が気持ち良い。
 今日は午前中、小説の仕事を2時間ほどで片付けた。「λ」は完成度35%。かなりセーブして進めている感じ。「虚空の〜」のゲラは80%まで。6月になったので、エッセィの連載ものを幾つか書かなくてはならない。
 庭掃除もした。カラスが落ち葉が入ったビニル袋をつついて破いたのだが、何が入っていると思ったのだろう。よほど生活が苦しいカラスにちがいない。このところ数が多いから、競争も厳しいだろう。

 スバル氏が買いものにいくので、つき合ってダイエーへ。屋上の駐車場で、パスカルと待っていた。いつものように、スライドドアを開けて風を入れ、ゲラを読もうとしたら、どういうわけか、近くにアイドリングをしている車がいるので、排気ガスが匂う。しかたがないので、場所を移動したが、気づいてみると、日陰に駐車している車の3台に1台は、エンジンをかけたままなのだ。クーラをつけて、中で人が眠っているか、本を読んでいる。ビジネスマン風、あるいは作業員風の男性。きっと会社の車だからガソリン代も気にならない、といったところだろうか。仕事をさぼっているわけではなく、それが正規の休み時間なのかもしれない(4時頃だったが)。しかし、ざっと20人以上はいた。
 ガソリンは会社持ちだから「使わないと損だ」という発想になる。誰にでも、身に覚えがあるところではないだろうか。会社の経費で飲み食いしたり、タクシーに乗ったり、などはごく日常である。これが、たとえば、自分の親の金だと、ちょっと考えるかもしれない。「無尽蔵に使ってしまうと、もしかして自分の損にならないか?」と。本当は、会社だって同じだが、母体が大きいから、自分が使う分くらいでは影響がない、と考えて、気にならなくなる。そうやって、みんなが無駄遣いをする。会社も損をするし、空気は汚れるし、社会も損をする。
 公務員は、国家が母体だから、みんなが「使わないと損だ」という感覚で動いていた。今でも、この体質は上層部の基本にある。結局は、母体が大きくはない、ということを感じさせないかぎり、すなわち、自分たちの利害に関係があるのだと脅さないかぎり、無駄遣いをやめないだろう。
 同様のことは川や海などの自然に対してもいえる。どうせ水が流れているのだから、使わなければ損だ、と無駄遣いをして、自分たちくらいでは影響しないだろうと高をくくっていたのが、公害になり、社会問題になった。

 ちょっとした目先の得をすることに躍起になっている人をよく見かける。前の車が赤信号で止まったら、それを横から追い越して無理に交差点を渡っていく、仕事が遅れることはわかっているけれど、ついサボって昼寝をしてしまう、というような「小さな得」である。姑息な得をいくら沢山かき集めても、有意義にはならない。そんなことは、もちろん理解しているだろう。
 あんな遠くまで自分は行けるのか、と思うような遠くの風景も、一歩ずつ左右の足を前に出しているうちに、確実に近づいてくる。大きくジャンプを繰り返すよりも、歩く方がはるかに楽なのだ。

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