2006年04月03日(月曜日)

【理科】 加速度

 力学にはよく登場するテクニカルタームである。加速度とは、速度の変化率のことであり、たとえば、一定の速度で運動している物体は、加速度がゼロの状態だ。どうして、加速度が問題になるのか、というと、力=質量×加速度、というニュートンの法則があるためである。つまり、ある物体を動かそうとしたとき、力が強いほど、加速度が大きくなる。力とは、そもそも、物体の運動を変化させる作用のことである。
 加速度は、よく「G(ジィ)」という単位で表現される。1G(イチジィ)というのは、地球の引力にだいたい等しい。高いところから落下するときの加速度のことである。ジェットコースタに乗っていると、「宙返りの手前で一瞬6Gがかかる」などと言ったりする。これは、その瞬間に、10kgのものが60kgになることだと考えれば良い。地震などでも、水平に1Gくらいの大きな力が瞬間的に作用することがあるが、横向きに1Gかかれば、つまり地面が45度傾いて、しかも重さがルート2(1.41)倍になったことに等しい。
 ところで、スタートレックのエンタープライズ号のように、宇宙船の乗組員にはもの凄いGがかかるのではないか。いったい人間はどれだけのGまで耐えられるのか、とよく話題になる。
 方向や継続時間にもよるが、実際には5〜10Gにもなると既に危険である。しかしそれは、「外力」(物体力)として作用する場合の話である。つまり、シートが加速するが人は残ろうとする、躰は加速するが内臓が残ろうとする、というように、力が接触によってしか伝わらない場合に、部位による加速度のアンバランスが生じるために危険となる、というだけのこと。たとえば、非常に大きな引力によって引き寄せられるときは、どれだけGがかかっても、単にすべての物体が同様に加速する(落下する)だけのことで、乗組員が加速度を感じることさえない。地球の加速度も、落下しているときには感じられないのと同じである。
 ワープ航法が可能なエンタープライズ号ともなれば、空間を歪めて推進するようなメカニズムであろうから、きっと大丈夫だと信じよう。

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