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2005年02月05日

キノコ一筋早くも3年目

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『きのこる。』の、最大にして唯一の特徴は、掲載される多種多様な内容が、すべてキノコに関するものだということです。
 元々は、キノコ大好き現代美術家の編集長と副編集長が、キノコグッズを制作し、SPORE名義でアートフリーマーケット等で発表していたのですが、アーティストやデザイナーら周りの友人にキノコの話を振ってみると、実は、自分もキノコが好きだったんだ、と告白されることが時々ありました。それで、キノコ自体の魅力とキノコ人脈から、きっと面白いものが生まれるのではないか、ということで、2003年に創刊1号を発行し、今では8号に至っています。
 現在、編集長らが「これぞ、キノコ者!(ファンを超えるキノコ愛を持つ人)」と認めた人に声をかけ、執筆依頼していますが、普段は隠れキノコ者も、誌面では心おきなくキノコ愛を発揮、キノコがテーマの漫画(毎号掲載・しかも大半が読み切り)、キノコイラスト・絵画(毎号)、キノコ小説(ほぼ毎号)、キノコ狩りなどについての随筆(毎号)や日記(1〜7号)、グッズ等の制作紹介(2〜8号)、舞茸ケーキ作り(4号)、キノコのつく人名(1・6号)・森本養菌園(5号)などの小論文、安倍なつみのキノコ発言集(6号)、毒キノコ中毒防止企画(4・7・8号)、きのこのカルタ(2〜8号で完結)、採集したレアキノコ紹介(3号)といった、愛らしいキノコからシュールなキノコまで、様々なキノコ世界が集まっています。読者参加企画として「きのこキャラ」を募集中です。年間グランプリキャラに選ばれると、裏表紙に掲載、缶バッジなどのグッズ展開をされるなどの特典があります。『きのこる。』は、年4回発行、キノコ一筋3年目に突入です。まだまだきのこります! 現在、東京の模索舎、タコシェ、BOOKS ART SPACE(Gallery ART SPACE奥)で販売中です。京阪神のアートフリマで手売りしたり、ネット通販も行っています。
               
            

(きのこる。編集部 フクモトヒロコ)
問合せ 〒606-8352 京都市左京区北門前町486 山こま荘12号「SPORE」気付 
spore@mcn.ne.jp
http://www007.upp.so-net.ne.jp/soma/spore/


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やさしさに溢れた世界

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『ARIA』1〜6巻
天野こずえ マッグガーデン 各580円

 どこか懐かしい、あたたかなもので溢れている街、ネオ・ヴェネツィア。そこでゴンドラでの観光案内人である水先案内人(ウンディーネ)を目指す水無灯里と、先輩のアリシアや友人の藍華、暁を交えて描かれる、何でもない日常。春の華やぎや夏の陽炎、秋の和らぎに冬の静けさ。そんな、忘れかけていた四季の美しさに改めて気付かせてくれます。
 灯里の日々の生活を通して綴られる、ため息ものの世界を味わってください。読み終わると何だか心がふんわりする、愛おしい作品です。

かわ●奈良県在住の21歳。「『ARIA』を読む時はいつも、岡崎律子さんのCDを聴いています。優しい歌声に癒されます」


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寺町とかげ●三重県在住の17歳、高校生。「50円葉書で図書カード3000円……。ちょっと小躍りしていいですか?」


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自分に正直に生きる

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『永すぎた春』(『別れの言葉を私から』所収)
唯川 恵 光文社文庫 520円

「9年間の平穏な交際・気付けばとっくに適齢期・当たり前に結婚するだろうと思ってた。既に長年連れ添った夫婦のよう。でも……だけど……」。こんな主人公に共感する女性は数多くいるはず。『永すぎた春』は、恋人たちの間にあるモノが「恋愛感情」か「情」か「固執」かを適切にくみとった作品。
 結婚は人生最大の妥協とよく言うが、主人公朋子がそれを選択せず、もう一度熱情を求めるために別れを切り出すシーンは女心を上手く表現している。大人の女性に読んでほしい一冊。

高橋千恵美●大阪府在住の27歳、主婦。「『血と骨』の作者・梁石日氏の『闇の子供たち』、アジアの最底辺での現実を描いた衝撃作です」

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孤独な現代人にむけて

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『孤独の歌声』
天童荒太 新潮文庫 580円

題名のごとく、一人ぼっちでいる孤独、周りから認められない孤独、誰にも理解されない孤独、自ら望む孤独、さまざまな孤独を抱えた人たちがある事件によって絡み合っていく。
 その事件は現代を敏感に描写したものであり、そのまま今日のニュースに出てきそうな架空のものとは思えない、異様だが妙に現実味のある事件。簡単に言えばその事件が解決をみるまでのサスペンス小説である。サスペンスとして読んでも十分楽しめるが、それに留まらず、もっと重いテーマを感じる作品である。
 事件の間にそれぞれの人物の孤独の苦悩や、今を、そしてこれからも生きていかなければならない苦悩を見る。それらは生きにくい現代を象徴する。そこには理解できる部分も多くあるが、「みんな頑張って生きているんだ」という安易な同情を訴えるものではない。
 私は朝山風希(登場人物)に強く共感した。多分彼女の考え方を否定する人のほうが多いと思う。しかし、彼女には、孤独を否定できずに生きていかなければならない者にとって救いがある。苦悩や孤独は誰かに同情してもらうことでも誰かに依存することでもない。自分ひとりが抱え、共存していくものだと。そうすれば、孤独を嘆くことも、失望することもないと。ひとりだから生きていけると。
「わたしは、どれだけ多くの家族に囲まれても、ひとりである時間、ひとりだけの秘密をきっと求めるだろう……それがときに虚しさや悲しみを伴うとしても……」
「……ひとりでなきゃ、生きていけない」
「共有なんてできない……わかつことなんて、できるはずがない。そんななかに、愛があるなんて思えない……ちがうと思う。持つことなんて、できないはずのものだもの」

 私は、今まで、ひとりであることを主張するのは、ともに暮らす家族、私の周りにいる人たちに対し、「悪」のように思えていた。勝手な利己主義、単なるワガママと思えたから。しかし、少なくとも私のように思う人がいる、そうしないと生きていけないのならそれはそれでいいんだと思えるようになった。私の中で安心してそう思っていられるだけでいい、誰の理解もいらない。いろいろな意味で生きづらい現代、不思議な事件が絶えない世の中を痛切に感じる作品である。

菊地真由美●北海道在住の40歳、書店手伝い。「天童荒太氏のファンになり、氏の作品『永遠の仔』『家族狩り』『あふれた愛』も読みました。すべてお薦めしたい! 他にも氏の作品があったら教えてください」

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『念力家族』を読んで

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『念力家族』
笹 公人 
宝珍 1680円

 本屋さんにて、まずそのタイトルに心引かれて手にしたこの本。
 中間あたりのページを開き、ぱっと目に飛び込んできた短歌を読んだ瞬間、頭がくらっとしました。周りに人がいなければ、口元に笑みを浮かべながらそのままガクッと崩れ落ちたかもしれません。
 それぐらいのインパクトを持った一冊です。
 他に類をみない、短歌集。それぞれが独立した短歌でありながら、一冊を通してのストーリー性も感じられる。揺さぶられる感情は笑いの部分だけでなく、時にあたたかいものであり、懐かしさ、ページが進むにつれそれは、ハラハラと、手に汗握るものへとも変わっていく。
 これほどのエンターテインメント性に富んだ、しかもまっすぐな感じのする本には、久し振りに出会ったかもしれない。
 所々に入っている挿し絵も、とてもイメージと合っていて、私の頭の中で物語をふくらませてくれます。
 個人的な楽しみ方としては、それぞれの短歌に合った声で、それを朗読する様子などを思い浮かべたり。ワクワクと、心が弾んできます。
 本屋さんで見かけた際は、是非手に取り、ページを開いてみてください。
 そこには、新しい世界が広がっています。

いかだまつり●大分県在住の27歳、会社員。「逆立ちの練習に熱中する毎日です。あたたまりますよ」


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鴉忌●東京都在住の16歳、高校生。「紙くずははさみまくりますが、菓子くずははさまらないよう努力しております」

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時間は大切なものだから

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『モモ』
ミヒャエル・エンデ/著 
大島かおり/訳 
岩波書店 1785円

 仕事やら、雑用で忙しくて本を読む時間がとれない時期はストレスが溜まる。「なぜこんなに時間がないんだろう」と我ながら不思議に思うほどである。どうでもよいことまで抱え込んでいるのではないかと、フと点検してみたりするのですが、そんな時、決まって『モモ』を思い出します。読んだキッカケというのが想い出深いのです。中学の担任から「よく似た子が登場するヨ」と勧められたのでした。その後、とても有名な本になりましたが、当時タイトルからいって「モモ」? 何の事? といった印象でしたし、生意気盛りの中学生にとって「フン、童話なんて子供向けョ」と小莫迦にしつつ、読んだことを覚えています。
 童話といっても現実離れした世界が描かれているわけではなく、それでいて、とても豊かな愛情あふれる世界があります。大人が読むにはとても入りやすく、読み終わると生活をちょっぴり振り返ってみたくなること間違いなし。なんだか、元気になって気分も軽くなるのです。
 結局、当時の私もぐんぐん引き込まれてすぐ読み終えてしまいました。誰が自分にあてはまるのか、私の印象は先生にとってどんなものだったのか、未だにナゾですがあれこれ想像しては、ひとりニヤリとしています。
「時間が足りな〜い」「時間って何だろう」「一番今大切な事はどれかな」なんて思った時、気分転換に最適な一冊です。

おさるだぁー●福岡県在住の35歳、会社員。「先日ひいた風邪がなかなか治らず参ってます。ぐっすん。やっぱり健康が一番ですよねぇ。早く暖かくなってほしい!です」 

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飼い主も幸せ 犬も幸せ そして読者も幸せ

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『幸せを運んだブルドッグ』
小野まゆら 
幻冬舎 1680円

 犬が流行っているとはいえ、ブルドッグを飼っている人は少ないであろう。よって見かける機会も少なく、ふれあうことはもっと少ないはずだ。そんなブルドッグの魅力をたっぷり堪能できるマンガがこの『幸せを運んだブルドッグ』である。
 ブルドッグのカポネ(雌)は家族がケンカをすると仲裁に入り、しつこいセールスにはニラミをきかせ、散歩中によその犬に頭突きをくらわせたり、飼い主と布団の争奪戦をしたりと、ユニークで愛くるしい姿は、読んでいてとても心を和ませ、笑わせてくれる。
 しかし、このマンガの真の主人公はカポネではない。体重75キロ、成績はクラスでビリ、視力が悪いのでメガネ必須、目立ちたがりで性格悪い(自称)という女子高生・もいらが主役なのだ。
 痩せればキレイになれるはず!としょっちゅうダイエットに挑戦しては挫折しつつも「私の制服ならオジさんが自分が着て楽しめるサイズだからブルセラに高く売れる!」というポジティブ発言はあっぱれだし、チョコボールをわざと放り投げカポネと競い合って拾い食いをする姿は、人としてそれでいいのか?とツッコミたくなる。漫画家になって初の原稿料でカポネのために3キロの牛肉の塊を買い「さあ!! 肉食獣の喜びを豪快に味わうがいい!!」と差し出す姿や、盛りがついて興奮状態のカポネを思いっきり恐い表情で叱りつけたときの顔は?「メガネからコンタクトに変えて、いきなり美人になって周りがビックリ!」なんて夢みたいなことを期待してしまう乙女心の持ち主?とは思えないほど強烈で、ここを読んだとき私は電車の中で吹き出してしまったほどだ。
 もう、はっきり言って、もいらのほうがカポネより面白いかもしれない……。
 そんなもいらさんは、確かな画力と独自の擬態語・擬声語を駆使し、たぐいまれなギャグセンスと冷静な観察力を持った素晴らしい漫画家だ。

タツホ●東京都在住の33歳。「学生の時、『僕はブルドッグの顔が好きでねぇ。飼いたいと思うんだけど、それを連れて散歩する勇気がなくて……』と言っていた先生がいたのを思い出した。この本と出会えていることを祈りたい」

投稿者 davinci_blue : 2005年02月05日 10:59