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2004年11月05日

OSK日本歌劇団を愛する全ての人へ……

minikomi0412.jpg  私はカメラマンですが、2002年から2003年にかけて、今は解散した80年の歴史を持つOSK日本歌劇団の魅力の一端に触れました。奈良県のあやめ池遊園地にあった円型大劇場をホームグラウンドに活動し、1年に1度、大阪の近鉄劇場で晴れ舞台を踏んでいた、幻の歌劇団です。数少ない女性による男役芸、目の肥えた観客を唸らせるダンスの実力、知る人ぞ知るその魅力をどうにかして表社会に引っ張り出したい。そう思って、京都・東京・大阪で写真展を開いたところ、会場には大勢のファンが集まり、新聞各紙に取り上げられ一般の人からも注目されました。存続活動が関西で盛んだった頃のことです。
 しかし、昨年5月の劇団解散後、一枚岩だったはずの劇団員たちの方向性の違いがはっきりしはじめました。
 近鉄という大きな後ろ盾を失い、今はバラバラに活動する69人の元劇団員たちを取り囲む状況は混沌としています。本流は、春と秋に松竹座でレビューを上演し成功を収め、歴史と伝統の継承を目指す「New OSK日本歌劇団」ですが、ほかにもいくつかの流れがあり、どのグループも開拓者の精神でそれぞれの道を切り開いています。『熱烈歌劇』は、唯一の業界専門誌として情報を一つにまとめ、ファンとスターたちを繋ぐ大きな役割を担っていると自負しています。本誌にできることは、それぞれの行方を見守り、より多くの人に、その活動を知っていただくことです。
 写真と記事で、希少価値の文化に光を当て、その魅力を探り、輝かせ、未来へと繋ぐためにはどうあるべきかを共に考える雑誌を目指します。創刊号から第2号が出るまで9カ月もかかり読者に心配をかけましたが、これからも頑張りますのでよろしくお願いいたします。      

(編集発行人 野住智恵子)


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犯人がわかってしまっても……

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『アクロイド殺し』
アガサ・クリスティー/著 羽田詩津子/訳 
早川書房クリスティー文庫 714円

 この本の本文を読む前、裏表紙数行の解説(というか内容紹介)で犯人がわかった!
 長いミステリー愛好生活の中でこれほど早く犯人がわかったのは初めてなので、うれしくてたまらない。
 娘、息子、友人からちょっとした知り合いにまでこの喜びをメールで知らせようとして、かろうじてふみとどまったくらいの、この半年のベストテンに入る喜びであった。
 ハヤカワ文庫のこのシリーズは活字が大きくて読みやすい。
 アガサ・クリスティーの文も改行が多く、ページに余白が多いので読んでいて疲れない。
 さて、本文に入るまえに犯人がわかってしまったので、読んでいて興味がうすれるかというとさにあらず。
 アガサ・クリスティーは私をだまそうとしたが私はだまされなかった――と思うとうれしくて。ホラ、ここにも、あそこにも、作者が張りめぐらせた伏線、衣の下のよろいをひろい集めながら、最後、やっぱり、思ったとおり、その人が犯人であった快感。
 わけわかんない公式を使って、チンプンカンプンの代数の難問を解いたような爽快感。
 ミステリーは面白い。アガサ・クリスティーはことに。アガサ・クリスティーの作品の中でもこの本は、ドキドキ感が五本の指に入る。

よっちゃん●滋賀県在住の47歳、自営業。「今ハマっているのはエルヴィス・プレスリー! ロックだけじゃない! 情に訴えかけてくるスローバラードも最高なオールラウンドプレイヤーです! おすすめはエルヴィスが歌うイタリア民謡『オーソレ・ミオ』!」


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完国いわ●愛媛県在住の20歳。 
「万年金欠の私にとって強い味方だったユ★クロが突然の路線変更。もうやるんならとことんやってくれ。『超高級ブランド』として登りつめるほどになってくれ。フンだ。」


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三島由紀夫が笑える!?

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『三島由紀夫レター教室』
三島由紀夫
ちくま文庫
546円

 世に笑える本は多いが、意外なものを紹介しよう。『三島由紀夫レター教室』である。
 5人の登場人物が手紙を交換するといった形式で進行される、これは小説である。別に、美しい文章を綴ることができた三島が、手取り足取り読者に手紙の書き方を教えてくれるのではない。ただ、個性的な登場人物たちが手紙をやり取りしているのを記しただけである。だが、実に内容が濃い。手紙を書くときの全てのケースが網羅されているといっても過言ではないからだ。そして面白い。いかにして相手から金を引き出そうかと苦心したり、処女でないことを打ち明けるものとか。彼がどういう考えでこの小説を書こうとしたのかわからないが、思わず笑ってしまう。人間というのは、真剣になればなるほど、笑えてしまうことがわかってしまうからである。さすがは三島由紀夫である。彼にしかこの小説は書けないだろう。そして、知らず知らず読み進んで行く内に、ぼくたちも手紙の書き方を学んでいることになる。
 笑えて学べる。これほど最強な本もないに違いない。

無職プー太郎●静岡県の40歳、無職。「ぼくはビッグになる! 皆さん、今のうちに青田買いをしておこう!!」

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名作が映画化
意外にジレンマ

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『海猿』全12巻
佐藤秀峰/画 
小森陽一/原案・取材
小学館ヤングサンデーC
各530円

『踊る大捜査線』スタッフの手で『海猿』が映画化された。原作マンガを読んだ時の強烈なインパクトは今も忘れられず、あの時の熱い感動を映画がうまく伝えられるのか興味深い。というよりも、あの印象が変わるのではという危惧が、映画を観たいという気持ちを萎えさせている。
 連載当時、私は四半世紀勤めたアパレルを辞め畑違いの医療機関に転職。海上保安庁に勤める仙崎大輔という青年が幾つもの過酷な試練の中から自らの生き方や、生命とは何なのかと問い続ける『海猿』に忘れかけていた熱い想いを重ね合わせて、心動かされたものだ。それは一般の人にはあまり縁のない海上保安庁という世界が、医療機関のそれと共通している点にあった。
 折しも、米原潜と水産高校実習船の衝突という痛ましい事故が発生し救出活動が困難を極めているという連日の報道に心を痛めつつ、海上保安庁という我々がよく知らない世界で海難事故にあった人たちを救う大輔の存在は、齢(よわい)四十を越えて徒手空拳だった私を大いに勇気づけてくれたものだった。
 原案者の小森陽一さんの鋭い観察眼による取材とマンガ家・佐藤秀峰さんの熱い想いが誌面から伝わってくる『海猿』は、平凡な小説を遙かに凌駕する一級品であり、単にマンガと片づけられない重みを持った作品というのが、私のマンガ『海猿』の評価である。
 それだけに、映画を観る気がどうしても起きないのである。映画の評価が高いだけにどうしようか心揺れる日々を過ごしている。

矢間正司●兵庫県在住、51歳の病院職員。「配偶者が韓流映画にハマって“ソナチアンの夫”としてビデオ・ショップの送迎等忙しい日々を送っています」


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読み返して知る奥深さ

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『大島弓子選集 第13巻 ダイエット』
大島弓子 朝日ソノラマ 1020円

 社会人となり、永い間マンガから遠ざかっていた。
 先日何気なく目に留まった『大島弓子選集 第13巻 ダイエット』。
 パラパラとめくってみると、学生の頃読んだ『毎日が夏休み』が収録されており、思わず再読することにした一冊。
 そのほかに作者の飼い猫であるヤサバユとの日々を描いた作品も収録されている。
 ウン十年後、読み返してみて驚くのは全く古さを感じさせないことで、そのことに本当に驚いた。懐かしいだけで終わることもなく、それよりも言葉といい内容といい哲学的なのが新たな驚き。学生の頃は絵がかわいくってふわふわした感じが好きだったが、内容は実はとても深いことだったりしたのだった。『毎日が夏休み』は親子の関係がするどく観察されているし、『ダイエット』は高校生の女の子の本人も気づかない深い心理が描かれている。ムムッすごい。
 提示されて、初めて気づいたりする。世の中、見ているようで見てないことがたくさんあることに気づく、鈍感な私であります。
 読み終わって、なんだか心がホンワカするのがどの作品にも共通しており、疲れた時、静かな秋の夜長など、思いたっては読み返す一冊となりました。

おさるだぁー●福岡県在住の35歳、会社員。「今回、掲載させていただいて大変嬉しいです。早速、いただく図書券で買うための本を探しています」


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読み聞かせに悩むイギリスの絵本

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『ちゃんと たべなさい』
ケス・グレイ/文 
ニック・シャラット/絵 
よしがみきょうた/訳 
小峰書店 1365円

 2歳7カ月の娘にせがまれ、絵本を読むことがある。いわゆる「読み聞かせ」というものだ。たいていは穏やかにページを繰ることができる。うさぎがお買い物に行ったり、ねこがどんぐりを見つけたり、という内容だからだ。
 ところが何気なく図書館で見つけた(私が見つけたのか娘だったのか定かではない)この一冊は違っていた。
 いつもの晩ご飯、ママは娘デイジーに決まってこう言う。「おまめもちゃんとたべなさい」。しかしデイジーは一言「おまめ、だいきらい」。ママは条件を出す。「アイスクリームをあげるから」。それでも「おまめ、だいきらい」。
 条件はページをめくるたび、スーパーマーケットも、動物園も、チョコレート工場も買ってあげる、と過激になり、多くの子どもが嫌がる早寝も、おふろも、歯みがきも「しなくていい」。しまいには“アフリカ大陸”も“地球”も買って(買えるのか)もらえるというのに、一言「おまめ、だいきらい」そう言うデイジーの顔はだんだんアップになっていく。あー、この“クレッシェンド感”!!
 私はどう「読み聞かせ」ていけばいいのか。次第に早口に? 声はもちろんだんだん大きく? 「おまめ、だいきらい」のセリフは淡々と。いやだんだん力強く?
 ……「オチ」はママもメキャベツが嫌い。そして二人はアイスクリームが大好き。ってことになるのだけれど。ふー。
 娘は案の定「ちゃんとたべなさい」というタイトルにもかかわらず「おまめだいきらい、よんで」と例のセリフを口にしている。
 この絵本“イギリスの子どもたちが選ぶチルドレンズ・ブック賞絵本賞・大賞”を受賞しているそうで、イギリスのお母さんたちはどんなふうに読んでいるのか、聞いてみたいものである。

鬼頭ひろみ●愛知県在住の36歳、専業主婦。「図書館で、マンガ『ちびまる子ちゃん』を借りる〜と泣いた娘。マンガ本の読み聞かせはさすがにできないよ……」

投稿者 davinci_orange : 2004年11月05日 11:41